2012 Fiscal Year Annual Research Report
股関節可動域制限に対する他動運動時の拮抗筋活動抑制条件の特定
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24650340
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Research Institution | Kyushu University of Nursing and Social Welfare |
Principal Investigator |
中野 聡太 九州看護福祉大学, 看護福祉学部, 助教 (50615317)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | リハビリテーション / 股関節可動域制限 |
Research Abstract |
【目的】 股関節可動域制限に対する他動運動システムを構築する前段階として,股関節外転における他動運動の速度と範囲を任意に調整できる新装置(以下,股関節外転運動装置)を作製し,その運動実施下において,対象者が発揮する内転及び屈曲方向への力の計測が可能なシステム(以下,計測システム)を構築する.次に股関節外転運動装置およびElectrical Muscle Stimulation機器を用い,股関節外転運動において生じる内転筋群の過剰な収縮を抑制しうる他動運動条件を明らかにするものである. 【本年度実績】 股関節外転における運動の速度と範囲を任意に調整できる新装置を完成させた.計測システムを用いた調査から,健常成人における内転運動方向への最大発揮力を最も減少させる条件が「電気刺激&普通速度での他動運動」であることが示唆された.また,健常成人にて,最大随意等尺性収縮における股関節内転筋群の筋放電量を,電気刺激直後と電気刺激無しで比較した結果,電気刺激直後にて低値を示し,相反抑制が生じている可能性が示唆された.一方,寝たきり高齢者における他動的股関節外転運動直後,すなわち股関節内転位から股関節内外転0°位に達した時点での抵抗値は,「速い速度での他動運動」にて小さくなった.また,寝たきり高齢者の大腿筋膜張筋へ電気刺激を行った場合,電気刺激を行わなかった場合と比べて股関節内転筋群の筋放電量に有意差は認めなかった.この原因として,対象者が意思表出困難であり,出力電流を小さくせざるを得なかったこと,大腿筋膜張筋の萎縮に伴う筋機能の変化などが起因している可能性がある.
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