2013 Fiscal Year Research-status Report
脊髄性筋萎縮症(I型)児の発達里程標と文字学習支援に関する研究
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24650341
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Research Institution | Kumamoto Health Science University |
Principal Investigator |
佐々木 千穂 熊本保健科学大学, 保健科学部, 准教授 (30569603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
境 信哉 北海道大学, その他の研究科, 准教授 (30299804)
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Keywords | 脊髄性筋萎縮症1型 / AAC / コミュニケーション支援 / スイッチ / 意思伝達装置 / 発達支援 / 認知機能 / 運動発達 |
Research Abstract |
平成24年度に行ったアンケート結果および介入支援の実績からSMAI型児のコミュニケーション支援のプロトコール(プロトコール)を作成し、実際の支援を通して効果検証を行った。支援者がアクセスする時間を選択でき、動画等を含めた双方向のやりとりが可能なSocial Networking Service(SNS)等を活用した遠隔支援を併用した。対象者は17例(日本国内に散在)で、SNS等を活用しながら遠隔支援の態勢がとれたのは11例、メールによるやりとりが可能だったのは14例であった。また、作成した発達里程標の公開や、動画配信サイトを用いたミニレクチャー配信等を通じ支援者向けに情報提供を行った。家族同士のclosedな情報の共有・交換を目的とした場として、情報管理ツールEvernoteを活用した。意思伝達装置を導入する際に必要となるスイッチ操作の獲得に関しては、実際の訪問支援を行うことが望ましいが、遠方の場合は頻回な訪問が困難である。また、ほとんどの対象児が在宅生活を送っているが、支援に関する情報共有や方針の統一を行うことが困難な事例もあり、遠隔支援の問題点と限界も感じた。プロトコールに即した介入支援においては、オートスキャン2択の選択が可能になった対象児は順調に文字学習支援に進んでいく傾向があった。一方、プロトコールのある段階で長期間停滞する事例が複数みられるため、今後、運動・認知機能の発達や環境要因等、多角的な視点から分析していく必要がある。またスイッチ操作を行う上で多くのSMA1型児が使用することの多い手指機能に低下がみられる事例も複数あり、病気の進行によるものであるのか、機能低下を招きやすい状態で長時間動かしたことによる影響によるのか、についても今後継続的に注意深くみていく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
対象児の体調不良や、連携協力者の不在等により、継続的な支援や情報交換が難しい事例があったこと、また複数の支援者が関わることにより方針が定まらない事例も複数あった。また学齢期の対象児童においては、学校内で機器類を使用する環境になく、一日の大半を過ごす学校で支援が進まないことによる遅延もあった。
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Strategy for Future Research Activity |
順調に支援が進んでいる対象児については引き続き支援を継続しながら、効果量を判定していく。また支援が滞っている対象児においては、要因分析を行い、作成予定の支援の手引きにはその問題点も含めた支援方策を掲載するという方向で検討していく。特に、支援が順調に進まない対象児に対してはより認知科学的な側面を重要視した要因分析を行い、今後の発達支援に反映されるよう配慮していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
論文化を進めていたが、作業が予定通りに進まず、校閲費として予定していた分が使用できないままで年度が終了した。 脊髄性筋萎縮症I型の発達里程標に関する論文化に際し、英文校閲費の一部として使用予定。
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Research Products
(6 results)