2013 Fiscal Year Annual Research Report
無線型慣性センサによるモーションキャプチャシステムの開発とリハビリ応用試験
Project/Area Number |
24650343
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡邉 高志 東北大学, 医工学研究科, 教授 (90250696)
|
Keywords | 慣性センサ / リハビリテーション / 歩行 / 角度 / カルマンフィルタ |
Research Abstract |
最初に,無線型慣性センサによるモーションキャプチャシステムのプロトタイプシステムの構築を進めた.医療スタッフや一般の使用者が無線型慣性センサで容易に計測できるように,計測条件の設定,データ計測の開始・終了,計測データの確認,データの記録などを容易に操作可能にするインターフェイスを構築し,計測ソフトウェアを作成した.また,計測結果の可視化ソフトウェアと統合し,計測から可視化までの一連の作業を実施できるモーションキャプチャシステムのプロトタイプシステムを構築した.これを用いて,リハビリテーションに従事する医療スタッフの協力のもと,運動機能障害者での計測による実証試験を行い,利用可能性を確認した.また,試験の中で,人の運動を慣性センサで計測する際のセンサ信号のキャリブレーションのための初期姿勢計測方法とキャリブレーションの方法についても検討し,プロトタイプモーションキャプチャシステムに実装し,一つのシステムとして実現した. 一方,三次元的な動作の計測に対応可能にするため,クォータニオンを利用した計算方法の改良を行い,従来の方法との比較を通して有効性を確認するとともに,障害者の歩行の計測結果のアニメーション表示が不自然になるという従来の問題も改善可能であることも確認し,この方法の実用可能性を示した.さらに,運動機能障害者の歩行が健常者と大きく異なる場合,あるいは健常被験者の速い歩行までを含めて計測する場合に,計測精度が低下するという問題が生じたため,カルマンフィルタによる誤差の補正強度を角度差やクォータニオン差に基づいて可変にする方式を考案し,角度計測における有効性を確認した.これらの新しい計算方法を,プロトタイプモーションキャプチャシステムに実装することで,リハビリテーションにおける歩行計測とその結果の可視化に関しては,実応用可能なシステムになることが期待された.
|