2012 Fiscal Year Research-status Report
脊髄反射を促通または抑制する条件付け課題での脳活動に関する研究
Project/Area Number |
24650365
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
上林 清孝 筑波大学, システム情報系, 助教 (70415363)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 明 筑波大学, サイバニクス研究コア, 助教 (80532481)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 脊髄反射 / H反射 / 運動制御 |
Research Abstract |
ヒトの身体運動は上位中枢からの下行指令と反射応答の相互作用からなり、反射は促通性と抑制性の両入力により調節されている。この反射興奮性の変化は感覚神経への電気刺激で誘発されるHoffmann反射(H反射)を用いて単シナプス性の脊髄反射を中心に広く研究されているが、上位中枢との掛かり合いについてはいまだ不明な点が多い。ラットやサルなどの動物実験では報酬訓練による学習で反射を随意的に促通・抑制させることが可能との報告があることから、本研究ではヒト被験者に対してヒラメ筋のH反射を促通もしくは抑制させるよう条件を提示し、その際の反射変化度合いと脳活動の関連性を調べることを目的としている。機能的核磁気共鳴画像法(fMRI)による脳機能イメージングに向けて、本年度は通常の実験環境(MRI室の外)にて実験プロトコルの確立のため検証実験を実施した。成人健常者に対して臥位もしくは立位姿勢にて矩形波(1 ms)による経皮的電気刺激を膝窩部で脛骨神経に与え、ヒラメ筋H反射を導出した。随意的なH反射の促通・抑制を引き起こすために、有効となる刺激回数、刺激の与え方、被験者への反射振幅のフィードバック方法などを検討した。さらに、MRI環境下での計測・刺激機器の確認、刺激の与え方、課題設計を含めてMRI撮像方法などに関して、研究分担者や放射線技師とのディスカッションを行い、MRI環境下での実験実施に向けた準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は通常環境下での実験プロトコルの確立を課題としていたが、おおむね順調に進展したものと思われる。研究分担者や放射線技師を交えたディスカッションを行い、プロトコルの策定に対して有益なアドバイスを得た。一方、成功時の報酬の与え方やタスクに対するモチベーション維持など更なる検討が必要な事項もあり、課題の達成に向けて努力を要する。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年4月より他大学へ異動したため、実験場所や実験方法について新たな環境下で決定する必要がある。現職では他学部にMRI装置があるため、そこでの実施可能性を探る。不可能である場合には、研究分担者が所属している前職場での計測を計画する。MRIでの計測が難しいようであれば、経頭蓋直流刺激を運動野に与えて脳の興奮性を興奮もしくは抑制にあらかじめ変化させた状態で、反射調節の変化度合いを調べることで上位中枢による反射調節の関わりについて検討することを想定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
所属先の変更があったことでこれまでの機器が使用できないことから、次年度の研究費では電気刺激装置およびオシロスコープの機器購入を予定している。また、研究分担者の機関での実験も検討していることから、旅費としての使用が増えることが予想される。
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Research Products
(5 results)