2013 Fiscal Year Research-status Report
東日本被災地に対する「動き豊かな学校づくり」の試み
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24650369
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
長谷川 聖修 筑波大学, 体育系, 教授 (10147126)
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Keywords | 動き / 避難訓練 / 坂道 / 遊戯性 |
Research Abstract |
課題③で示した教室での活動を発展させて「動き豊かな学校づくり」の提案として、体育施設が利用できない状況なので、「動き豊かな教室」の取り組みだけでは、発育期にある児童・生徒にとって十分とは言えない。そこで、学校施設で利用可能な廊下・階段など、あらゆる空きスペースを利用しても活動できる運動遊びや教材を独自に開発し、学校生活全般で豊かな運動の機会を提供することを試みた。 具体的には、高萩市の高萩小学校前の「おもいで坂」を利用して、避難訓練として高台に登るというだけでなく、遊戯的な観点から坂道を考え直す試みを実践した。坂道には、安全面を充分に配慮して、様々なクッションを配置したり、坂の下には、乗って滑ることのできるスクーターボードを置いた。さらに、各種用具を用いた遊具を加えて、防災の知識を習するための「防災ゲーム」を実践した。 第34回高萩市復興産業祭のイベントに併せて、「学んで遊ぼう!防災ゲームにみんな集まれ!」という企画で、200名を越す児童が参加した。これまで、避難訓練として坂道を登ることが実施されてきたが、坂道に様々な遊具を設置することで、坂道そのものの持つ遊戯性が促され、多くの児童が坂道を通じて動く楽しさを味わう機会を得ることができた。 今後、被災地では引き続き避難訓練が実施されるが、「動き豊かな学校」の発想に基づけば、高台へと登る活動そのものに楽しさを加えることの重要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今回、授業以外の活動場面で「動き豊かな学校」を実践できたことは、大きな成果であった。こうした生活全般にわたる活動についても今後取り組んでいかなければならない。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの学校内・外での活動について成果をまとめつつ、具体的な活動内容を整理して、サイト上への公開に努めたい。なお、情報公開に当たっては、プライバシーの保護に関して充分に配慮する計画である。
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Research Products
(2 results)