2013 Fiscal Year Annual Research Report
運動環境の変化が子どもたちのボール運動の質的向上に及ぼす研究
Project/Area Number |
24650371
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
菊原 伸郎 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (90319591)
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Keywords | 感性の教育 / 運動環境 |
Research Abstract |
これまでの日本の学校における屋外運動施設の環境は「土のグラウンド」が一般的であったが、ここ数年では私立の大学や高等学校法人を中心に人工芝グラウンドが急増している現状がある。また、近年、子供や学生の体力低下、地球温暖化によるヒートアイランド現象の抑制等、環境に対する意識の向上等の社会的なニーズが高まる中で、校庭を芝生化する学校や公共施設が増えてきている。 このような現状に対して、本研究ではグラウンド利用者である運動者とともに、サッカー場の芝生化に着手し、本来あるべき屋外運動施設の姿である「芝生」の養生と維持管理の実態を明らかにする実践研究を行った。これは、運動者が運動環境のあるべき姿を意識し、生涯にわたって運動に親しむ資質を養うために必要な感性の教育と運動環境のあるべき姿を探り、今後の屋外運動施設整備に対し示唆することを目的とした。 本研究では、埼玉大学サッカー場を研究目的に使用し、赤土の土壌を改良せず、ティフトン419の苗を植えることから始めた。芝生養生の実践研究において、様々な試行錯誤を繰り返した中では、書籍や調査だけでは分かり得なかった「活きた知見」を深めることができた。 本実践研究を通じて、運動者の運動環境に対する意識に変化がみられた。それは、屋外の運動環境が人工物よりも自然である芝生の方が、経済面からも生産性の面からもヒトにやさしく、本来あるべき姿を感じる機会となったことがインタビュー調査からわかった。また、芝生化には莫大な費用がかかるとの一般的な認識がアンケート調査から再確認できたが、本研究での事例を明らかにすることで、芝生に対する価値観の変化が期待できる。 なお、次年度に計画し行う予定であった異なる運動環境における実験については、経費の問題と被験者との日程交渉がまとまらず実現することができなかったため、今後の課題として研究行い結果を発表していく。
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