2012 Fiscal Year Research-status Report
学童期における学習状況と体力・運動能力の関連性に関する縦断的調査
Project/Area Number |
24650379
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
佐川 正人 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (10196115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 憲輝 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (10382540)
中島 寿宏 北海道工業大学, 公私立大学の部局等, 講師 (10611535)
山津 幸司 佐賀大学, 文化教育学部, 准教授 (90299579)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 学力 / 体力 / 小児 / 青少年 / 評定 / 学業成績 |
Research Abstract |
本研究課題は,1)体力と学業成績の関連性を横断的および縦断的研究に調査し、関連性を示す場合には,その基盤となるような社会環境要因や心理的要因そして生理学的な要因などについて検討する。さらに、2)学校教育・学校体育の中での両者の相互作用をポジティブな方面に作用させる方法論の模索、一方その阻害要因と考えられる“運動嫌い”を生み出す要因の解明を試みるものである. 当該年度は初年度であり,小中学生における体力と学業成績の関連要因を横断的な調査によって明らかにすることを目指した。年度の前半においては調査に協力してくれる中学校のリクルートメントを行い,また要因解明のための調査用紙の作成を進めた.その結果,札幌市および石狩振興局の近郊を中心に20校ほどの中学校に協力依頼を行い,最終的には9校の中学校(調査対象者,計約1400名)が調査に協力してくれることとなった. また,要因解明のための調査用紙についても,生徒用として身体活動時間,睡眠時間や朝食の欠食,部活動への所属状況,運動への志向性などについて,保護者用として保護者の運動・スポーツへの志向性や子どもへの期待度,年収,学歴などについての質問項目を完成させた.年度の後半には,各学校への配付・回収作業,データ入力作業を行った.データがまとまった学校単位で順次解析を行い,次年度(H25年度)の海外および国内学会での発表抄録の作成,また協力校への集計データの返却準備を進めた. 調査協力の中学校においても子どもの体力と学力に関連性がみられるかどうかについては興味を持っており,今回の調査によって関連性の有無そしてそれに影響するような環境要因が解明されることは,生徒指導上,有意義な情報となるため,速やかに成果を還元できるように研究を進展させる予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では,調査対象とする生徒数を500名ほどとすることを目標としていた.ところが,現在,1400名ほどの中学1年生を調査対象にできており,追跡調査によるデータの欠損を見込んでも500名以上のサンプルでの解析が可能となると期待できる.データ解析についても当初の予定どおり進んでおり,研究全体としてはおおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度に調査対象とした中学1年生を中学3年生まで継続して調査していく予定である.各中学校との連携を重視し,成果の還元を行いつつ調査を進める予定である.また,現在のデータでは,横断的な分析データになっているが,縦断的な解析を行う予定であるので,それによって確度の高い要因分析を行えるようにしていく.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は初年度(H24年度)と同様に生活状況や体力テスト結果,9教科の評定について調査を行う.ただし,初年度の中学1年生を継続して調査を実施するため中学2年生に進級した子どもたちを対象とする.また,初年度に得られたデータの解析を進め,学科発表および論文として発表できるように研究を進める. 次年度使用額が発生した理由として,当初は学会発表を初年度から行う予定であったが,サンプルサイズを大きくしたことによってデータ収集および入力に掛かる時間が延びてしまい,その結果初年度からの学会発表を見送ったというのが理由である. 次年度は,アンケートやデータ入力に関わる費用は初年度と同様に使用予定であり,また学会での発表やそれに伴う旅費に関わる費用が初年度よりも増額となる計画である.おおむね当初計画通りに執行することが予想される.
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