2012 Fiscal Year Research-status Report
知覚-運動スキルの組織化を促すエナクティブな情報環境の構築
Project/Area Number |
24650382
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
工藤 和俊 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (30302813)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平島 雅也 東京大学, 教育学研究科(研究院), 助教 (20541949)
笹川 俊 東京大学, 総合文化研究科, 助教 (90551565)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 運動スキル / 運動制御 / 自己組織化 / リズム |
Research Abstract |
本年度は、1) 鍵盤楽器演奏において重要となる複数指の複雑な協調(コーディネーション)を必要とする運動、および2) ストリートダンスの基本技能であるリズミカルな聴覚信号に対する全身動作の同期運動を対象として、運動の速度、運動の複雑さ、 聴覚信号の情報源(外部からの聴覚情報/自己発声による聴覚情報)などの変数を操作し、これらの運動スキル遂行に対する影響を検討した。複雑な指運動を対象とした実験においては、参加者は速度を徐々に増大させつつ以下の課題を遂行した。1)単純な単指タッピング(1,2,3,4の各指)、2) 2指を用いた交互タッピング(23および34)、3) 3指を用いた交互タッピング[2(34), (23)4, 3(45), (34)5,4(35),3(24)、括弧内の指は同時に動かす。以下同様]、4)4指を用いた交互タッピング[2(345), (234)5,(23)(45), (24)(35)]、5)4指を用いた系列タッピング(2345, 5432)。その結果、3指および4指を用いた交互タッピングにおいて、速度の増大に伴い指のグルーピングパターンが変化する新たな相転移現象および系列順序に依存して安定性が変化する系列効果を見出した。また、ストリートダンスの基本技能遂行に関して、開眼および閉眼にて感覚運動同期課題を行い、閉眼に伴う姿勢動揺の増大が感覚運動同期に与える影響について実験を実施し、現在データを解析中である。さらに、内部からの情報を利用して身体運動の自己組織化を促すことができる可能性があることから、自己発声を用いて感覚運動同期パフォーマンスを安定させる方法について検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した実験計画のうち、鍵盤楽器演奏にかかわる手指の複雑な動作およびストリートダンスの基本技能を対象として、その安定性に関わる要因について検討を行い、制御における重要なパラメータの抽出を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は引き続き、音楽演奏、スポーツ、ダンス動作を対象として、安定な動作遂行を促す情報を実験的に探索する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費の使途は下記の通りである。 ・運動の計測に関わる消耗品の購入 ・実験参加者に対する謝金、および実験遂行/データ解析補助のための謝金 ・研究成果の発表に伴う旅費 ・論文投稿に伴う英文校閲、投稿料、掲載料
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Research Products
(2 results)