2013 Fiscal Year Research-status Report
脳性麻痺者の関節可動域と運動能力の関係に関する研究
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24650387
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山崎 昌廣 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (40128327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 良昌 広島大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (00397978)
田中 信行 日本体育大学, 体育学部, 教授 (90339490)
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Keywords | 脳性麻痺 / 関節可動域 / 有酸素能力 / 最高酸素摂取量 |
Research Abstract |
本年度の研究では,脳性麻痺者の有酸素能力を測定し、平成24年度の研究結果として得られた3つのGroupが有酸素能力とどのような関係があるのかを明らかにすることを目的とした。 被験者は自立歩行可能な成人脳性麻痺者47名であった。平成24年度の関節可動域による分類法にしたがって被験者を分けると,最も関節可動域が広いGroup1が20名,Group2が19名及び最も障害の程度が大きいGroup3が8名であった。被験者にはトレッドミル上を疲労困憊まで歩かせた。運動負荷は,トレッドミルの初速度を障害の状態により5km/時あるいは2km/時とし,その後毎分0.25kmずつ増加させた。酸素摂取量,二酸化炭素排出量,換気量および心拍数を1分ごとに連続的に測定した。 有酸素能力を示す最高酸素摂取量および最高換気量は,分散分析の結果,Group間に有意な差が認められた。さらに,下位検定の結果,障害の程度の軽いGroup1とGroup2の間に有意差が認められた。一方,最高心拍数にはGroup間に有意差が認められなかった。 平成24年度の関節可動域による分類では,全身の関節について測定を行い,多変量解析法により脳性麻痺者を分類した。その結果,肩関節,頸関節,股関節および足関節の可動域が脳性麻痺者の分類にとって重要であることが示された。本年度の研究では,有酸素能力の測定に歩行動作を採用したために,股関節や足関節などの下肢の可動域が重要であると予想されたが,上肢を含めた分類法によっても明らかなGroup間に差があることが確認された。 したがって,平成24年度の関節可動域による脳性麻痺者の分類は,有酸素能力の観点からも妥当であることが証明された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究初年度において,自立歩行が可能な成人脳性麻痺者を全身の関節可動域の特徴で分類すると,三つのGroupに分けることができた。また,各Groupの運動能力(握力,肩筋力,上体起こし,立ち幅とび,ソフトボール投げ,50m走,反復横跳び,閉眼片足立ち,長座体前屈、及び10m Shuttle Run test)を測定すると,Group間に有意差が認められることを明らかにした。さらに,今年度は有酸素能力との関係も示し,Group分けの方法が体力・運動能力についても有効であることを示した。 これらの研究内容は,予定通りであり,おおむね順調であると判断することができる。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度の予定は,車椅子を使用している脳性麻痺者を対象として,上肢の関節可動域によって分類可能かどうかを検討することである。分類できた場合は,握力,肩筋力,上体起こし,ソフトボール投げ,車いす20m走および長座体前屈といった各運動能力と分類したGroup間の関係を明らかにする。また,Arm Cranking exerciseを用い,有酸素能力の測定を実施し,Group間の比較を行う。車椅子を使用している脳性麻痺者は,重度の障害を有していることから,有酸素能力については心拍数と酸素摂取量の関係から,PWC120あるいはPWC150を求める。 なお,資料収集は,これまでと同様に多くの脳性麻痺者の協力が可能である韓国ソウル市およびプサン市にある脳性麻痺施設で実施する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度の予算執行はほぼ計画通りに進んだが,当該年度の実支出額が所要額より5205円少なかった。これは各経費の端数が生じたためである。 当該年度から繰り越す5250円の助成金は,物品費として使用する予定である。
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