2014 Fiscal Year Annual Research Report
脳性麻痺者の関節可動域と運動能力の関係に関する研究
Project/Area Number |
24650387
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山崎 昌廣 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (40128327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 良昌 広島大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (00397978) [Withdrawn]
田中 信行 日本体育大学, 体育学部, 教授 (90339490)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 脳性麻痺 / 車いす / 関節可動域 / 運動能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,車いすを常用している脳性麻痺者を対象として,関節可動域と運動能力の関係について検討した。被験者は成人男女23名であり,粗大運動能力分類レベル(GMFCSレベル)は全員が4であった。関節可動域は,角度計を用い,頸関節(屈曲,伸展,回旋),肩関節(屈曲,伸展,外回転,内回転,外転),肘関節(屈曲)及び手首関節(屈曲,伸展,外旋,内旋)を測定した。なお,下肢の関節は車いす乗用車者であったため測定しなかった。運動能力は,握力,肩筋力及びソフトボール投げを実施した。GMFCSレベル4の脳性麻痺者の表出する障害の程度は顕著であり,関節可動域及び運動能力とも個人差が大きかった。頸関節及び肘関節の可動域は,比較的個人差が小さかったのに対し,肩関節及び手首関節のそれらは非常に大きかった。関節可動域が狭い者は,握力,肩筋力及びソフトボール投げとも値は低かった。これらの結果は,関節可動域を制限している筋の収縮異常が著しいことを示している。GMFCSレベル1~3の者は文部科学省の新体力テストを実施できる者が多いが,GMFCSレベル4になると通常の運動能力テストを適用することは困難であり,運動能力の評価のためには新たなテストを開発する必要性がある。
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