2012 Fiscal Year Research-status Report
武道必修化に伴う初心者の指導法に関する研究-基本動作における指導手順の検討-
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24650390
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Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
竹中 健太郎 鹿屋体育大学, スポーツ・実践科学系, 准教授 (90506297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下川 美佳 鹿屋体育大学, スポーツ・実践科学系, 助教 (10437981)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 剣道 / 初心者指導 / 正面打突 |
Research Abstract |
本研究は、剣道の指導における指導手順の組換えによる指導効果を検証することが目的であるため、24年度は1年間を通じて主にその指導事例の作成、蓄積に精力的に力を注いだ。 年度の前半は、15名の被験者に対して、上肢の動作は「素振り(空間打突)」から、下肢の動きは「送り足(すり足)」から指導する、従来型の指導手順により正面打突の技術習得を実施した。後半は、異なる15名の被験者に対し、新たに指導手順を組み替えた指導を実施した。上肢は、最初の段階で素振りを行わずに、実際に「物(打込受棒、打込台)」を打たせ、下肢については、最初の段階ですり足を行う前に「踏み込み足」を練習させる方法を施した。以上、1年間を通じて二通りの指導事例を作成し、異なる指導手順における被験者の被験者正面打突について、上肢と下肢の協調(踏み込み動作と打突の一致の度合い)の比較検討を行うための資料とした。調査方法は、以下の通りである。 1.各指導手順の事例において、指導時間の5回(1回が90分授業)経過後、被験者に対して正面打突の試技を行わせて映像を撮影。 2.剣道有段者(3~4段)120名が、その映像を視聴し、上肢と下肢の協調について各被験者の試技を質問用紙に基づいて評価。 なお、映像による試技の評価を比較検討のため調査に用いたのは、剣道は視覚、聴覚で審判が有効打突を判定する競技性を有するためである。有段者120名の評価の結果をデーター化し、比較検討の資料とした。現在データー処理及び考察段階であるが、同時に新たな指導事例の作成を実施している。その内容は、2名の異なる指導者により同時展開(同時間帯でグループ別)での二通りの指導手順による実践事例の作成を実施している。この事例についても調査を加えて総合的に比較検討し、指導手順の組み替えによる指導効果について明らかにしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、年度内にデーター処理を終了させる予定であったが、研究代表者が年度末に重度の椎間板ヘルニアによる腰痛に苛まれ、研究業務に支障をきたしたため、本来の計画よりやや進行が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度は、前半期(4月~7月)に2クール目の指導事例のサンプルを作成する。同時展開で研究分担者と協力して異なる指導手順(従来型と新たな指導手順)で二つの指導事例を作成し、技術習得上の上肢と下肢の協調に関する指導効果について比較検討する。 比較検討の方法については、現在検討中である。申請当初は3次元動作解析を行う計画であったが、剣道の打突動作においては有段者であっても打突と踏み込みに時間的なズレが生じる場合がほとんどであるため、24年度同様に「有段者の映像による評価」の方が本研究には適しているかと考えられる。いずれにしても、24年度及び25年度に蓄積した指導事例について総合的に比較、検討して考察を行う予定である。 本研究の成果は、25年度9月に開催される日本武道学会において発表する計画である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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