2013 Fiscal Year Research-status Report
筋活動様相からみたカヤック競技の水上パドリングにおける技術評価の試み
Project/Area Number |
24650391
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Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
中村 夏実 鹿屋体育大学, スポーツ・武道実践科学系, 講師 (30287817)
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Keywords | カヌースプリント / カヤック / 水上パドリング / 筋電図 |
Research Abstract |
本研究では,水上パドリングにおける運動の様子を筋活動様相から捉え,陸上でのパドリングとの相違や,水上パドリングの「うまさ」を検討することを最終目的としている. 平成24年度は,測定環境が水上であるための自然条件が測定値に与える影響を排除し,パドリング動作の筋活動を討するため,シミュレーションマシンを用いたパドリング動作中の筋電位を測定した.その結果競技成績の高い選手の被検筋の筋放電パターンに,2つの傾向が確認された(詳細は昨年度研究実績概要参照). 続く2年間の研究機関は,水上パドリングにおいても,シミュレーションマシンを用いたパドリングで確認された動作が確認できるかどうか,また行われたパドリング動作によって艇がどのような挙動を示し,艇速度にどのような影響を及ぼしているかを検討することを目的とする.そのために,平成25年度は,特に各項目の測定方法を確立することに重点を置いて研究を遂行した. なかでも無線筋電計は,測定のフィールドに予定した湖面における,無線通信使用のための周波数帯域を探すことに時間を要した.また,競技用のカヤック艇の艇幅が細いため,ロガーの固定やパドリングを阻害しない電極の配線などの工夫に,年間を通して時間を費やすこととなったが,平成25年度内に,各測定機器についてそれぞれの測定方法を確立することができた.しかし,競技用の艇に手を加えて,それらの測定機器を固定することは,実際の競技に不利益をきたすと考えられたので,測定用の艇を準備する必要性が浮上した. そこで平成26年度は,測定用の艇を準備し,各機器を取り付けて全体の測定システムの確認した後,水上パドリングにおける測定データを蓄積する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
水上パドリングにおける,艇速度および筋電位の測定方法を確立することを目指して研究を遂行していた.しかし研究実績の概要に記したとおり,想定以上に水上測定システムを整えるのに時間がかかり,平成25年度内に測定システムの状況を実際の計測を行って確かめることができず,研究が遅れているといえる. しかし、現在では,それぞれの測定機器の測定機器の水上での測定方法は準備された.さらに,艇速度だけでなく,水上パフォーマンスを評価する手法として、パドルにかかる力(ひずみ)の測定システムを整えることができた(当初の研究計画外). これらのことを総合して,本研究はやや遅れていると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は,まず測定システムを使用し,システム確認のための水上パドリング測定実施したのち,本測定を開始する予定である. 天候と被検者の予定の調整が最大の課題である.対策としては,1年間を通して,常に天候を見ながら,被検者と調整していくよりほかはない.現時点で被検者(男子選手4名,女子選手5名)には,測定条件を説明し,研究参加の同意が得られている.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
測定システムを整えるために時間がかかり,本測定を開始することができなかった.そのため,被検者謝金の使用がほとんどなく,測定に関わる消耗品の支出も少なかったことが,次年度使用額が生じた主な理由である. 平成26年度は,被検者の謝金と,全測定機器を固定することができる測定用の艇を購入することに使用する予定である.
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