2014 Fiscal Year Annual Research Report
筋活動様相からみたカヤック競技の水上パドリングにおける技術評価の試み
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24650391
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Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
中村 夏実 鹿屋体育大学, スポーツ・武道実践科学系, 准教授 (30287817)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | カヌースプリント / カヤック / 水上パドリング / 筋電図 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,水上パドリングにおけるパドリング運動の様子を,筋活動様相から捉え,シミュレーションマシンとの相違や,水上パドリングの「うまさ」について検討することを目的とした. 平成24年度には,パドリングの基礎研究として自然環境の要因を排除した,シミュレーションマシンを用いた,30秒間のパドリング中(500m全力漕相当の負荷)の筋電位を測定した.その結果,被検者の中で競技成績の高い2名の選手に,それぞれ特徴的な筋放電パターンが確認された. 平成25年度は,これらのことを水上で確認する事を目指し,測定場所を屋外の河川に移したことによって,方法論の構築に時間を費やすこととなった. 平成26年度(本研究の最終年度)は,年度前半で,無線筋電系の計測や,使用艇の準備を整え,実際に水上パドリング中の筋電位を測定するためのプロトコルを検討した.水上パドリングは,シミュレーションマシンにおけるパドリングとほぼ同様のプロトコルとなるよう,500mレースの中間疾走局面を想定した一定ペースのパドリングを1分間実施し,前後15秒間を排除した中間30秒間のパドリングを対象として,艇速度,筋電位を計測した.その結果水上パドリングの筋放電は,シミュレーションマシンに比較して収束する場面が少ないことが観察された.また,競技成績に優れるものは,パドル入水直前のいくつかのブイの筋放電位が他の被検者に比較して小さい可能性が観察された.ただし,まだ2名の測定しか行えておらず,かつその被検者は,シミュレーションマシンにおけるパドリング時の被検者とは異なった. 本研究においては,無線筋電系を用いた水上パドリングにおける筋電位測定の方法論を構築できたことが意義深く,パドリングの「うまさ」を議論できる情報を収集できる可能性が濃厚となった.今後引き続き,水上パドリング時の筋電位計測を続け,データ数を増やして,パドリングの「うまさ」を解明することを目指す.
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