2015 Fiscal Year Annual Research Report
イスラーム世界における格闘技の意義 ~格闘技観・勝負観・教育観・娯楽観・役割~
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24650393
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Research Institution | Yokkaichi Nursing and Medical Care University |
Principal Investigator |
菱田 慶文 四日市看護医療大学, 地域研究機構地域研究センター, 研究員 (60625862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴山 信二朗 帝京平成大学, 現代ライフ学部, 講師 (40572235)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アラブ / イスラーム / 格闘技 / ブラジリアン柔術 / ムエタイ / キックボクシング / 学校体育教育 / 民間スポーツ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、アラブ首長国連邦アブダビ首長国が、格闘技振興を盛んに行っていることから、首長国が格闘技に何を求めているのか、を明らかにするために研究を行った。実際に、現地アブダビ首長国では、様々な格闘技が振興されていた。ブラジリアン柔術(以下にBJJと示す)、キックボクシング、総合格闘技、柔道、レスリング等である。特に盛んに行われていたものは、BJJであった。王子であるシェイクタハヌーンの奨励から、BJJが振興されたようである。BJJは、小学校6年生から高校3年生までの必修体育として、学校体育に取り入れられていた。講師は、ブラジルから派遣された柔術家が指導にあたっていた。最終年度には、本場ブラジルでBJJの特徴を確認したが、BJJは、寝技が中心の格闘技である為、立ち技の柔道よりも安全であり、けがも少ないとされる格闘技であった。投げ技によるダメージを負う事が少ないためである。このBJJならば、身体能力の低い人間でも、また、肥満の子どもにでも比較的に行いやすいとも言える。BJJは、体力勝負と言うよりも、技術があれば、体力が自分よりも勝る相手にも勝てる要素が多分にあるからである。また、アブダビでは、BJJの普及までは、女子は、スポーツや格闘技をすることに積極的でなかったが、現在では、女子も盛んにスポーツ、格闘技に参加するようになったという。女子もBJJを学校の選択科目で習うことができるためである。聞き取り調査によれば、8割の女子生徒がBJJを学んでいるという事であった。アブダビ首長国は、BJJをはじめとした格闘技が普及し首長国民の健康増進を推し進め、また、教育観は、女子も格闘技などの教育をすべきと変化があり、また娯楽観においても、同様であった。
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Research Products
(1 results)