2012 Fiscal Year Research-status Report
長距離走走行時のストライドの変化と乳酸閾値時走速度の関連
Project/Area Number |
24650398
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
石井 好二郎 同志社大学, スポーツ健康科学部, 教授 (30243520)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | トレーニング科学 |
Research Abstract |
運動強度の増加に伴い,乳酸の産生に対し酸化が追いつかなくなる乳酸性作業閾値(LT)が出現する。また,マラソンの走速度はLTの走速度とほぼ一致する(Davis,1985)。しかしながら,測定に採血を伴うことからLTの測定は一般的ではない。一方,走速度の増加は比較的低速度までは主にストライドの増加によってもたらされる(星川ら,1971)。したがって,マラソンペースにおいては走速度の増加をストライドの増加と置き換えることも可能であろう。すなわち,LTのストライドが各個人に存在することが示唆される。そこで本研究では,走行時の血中乳酸とストライドより,個人間を標準化する法則性が存在するか否かを検討し, LT速度推定が,ストライドによって可能となるかを明らかにすることを目的とした。 日常的にランニングを愛好し,フルマラソン完走を目的とする市民ランナー約40名を被験者とした。なお,実験は陸上競技場400mトラックで実施された。被験者はマラソン目標走行速度付近を中心(3セット目)とした異なる速度の1000m走を5セット実施した。ゴール後,直ちに心拍数と血中乳酸濃度を測定した。ストライドはコース縁石に1mごとにマーカーを置き,高速度ビデオカメラを設置することによって得た。得られたLT時の走速度・心拍数と,セットごとのストライド・心拍数から「予測最大ストライド」「予測LT時ストライド」「推定LT時ストライド」「推定LT時走速度」を算出し関連を検討した。その結果,推定LT時走速度は実測LT速度と有意な相関を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者の実母が,昨年6月に入院し,その後,要介護5と認定された。研究代表者は実母の介護を行いながらの研究活動を遂行しなければならなかった。10月30日に実母が亡くなったが,その後の手続き等に追われ,研究はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点では例数が少なく,さらに例数を増やす予定である。また,これまで,非観血的な運動強度指標として多用されている,心拍数や主観的運動強度(RPE)より精度の高い手法となり得るかとの比較も進めて行く。 さらに,GPSなどを使用しての非観血的な方法による推定LT時走速度の可能性についても挑戦して行く。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究の遅れを取り戻すべく,研究協力の得られる被験者のいる地域まで出向いての積極的な実験を実施する。また,データ分析の遅れも,アルバイト等の採用によって迅速に進める予定である。
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