2012 Fiscal Year Research-status Report
乳酸代謝能改善をねらいとした高強度間欠的低酸素トレーニングの効果
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24650399
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
後藤 一成 立命館大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (60508258)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 低酸素トレーニング / 高強度運動 / 無酸素性パワー / 無酸素性持久力 / 筋緩衝能 |
Research Abstract |
今年度は球技選手を対象に、低酸素環境で行う高強度・間欠的トレーニングの効果を検討した。大学球技選手32名を、通常酸素環境(酸素濃度20.9%)でトレーニングを行う「通常酸素群」と、常圧・低酸素環境(酸素濃度14.5%)でトレーニングを行う「低酸素群」に分類した。両群ともに、週2回・4週間にわたりハイパワー式自転車エルゴメーターを用いた高強度・間欠的ペダリングトレーニング(10セット)を実施した。その結果、4週間のトレーニングに伴い、両群ともに間欠的ペダリングテスト(10セット)における平均パワーの向上が認められた。一方、トレーニング期間前後での改善率に着目すると、最高パワー、平均パワーのいずれに関しても低酸素群が通常酸素群に比較して有意に高値を示した。最大酸素摂取量の増加率には、群間で有意な差は認められなかった。上述の結果から、低酸素環境下で行う高強度・間欠的トレーニングは通常酸素環境で行う同様のトレーニングに比較して、最大無酸素パワーおよび無酸素性持久力の改善に有効であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は大規模なトレーニング介入実験を2つ実施し、いずれも新規性の高い研究結果が得られた。この研究結果は今年度の国際学会で発表した上で、論文投稿する予定である。また、当初今年度に予定していた研究の一部を前倒しで実施することができた。以上の諸点から、研究の進捗は概ね順調であると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでおもに、長期間のトレーニングに伴う運動パフォーマンスの変化に着目した研究を行ってきた。そこで今後は、低酸素環境で行う一過性の運動に対する代謝・内分泌応答を詳細に検討する予定である。この研究を行うことにより、低酸素環境での高強度トレーニングの有益な効果を機序を明確にすることができると考えられる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度に予定していた研究の進行の一部に変更が生じ、次年度に実施することになった。そのため、消耗品購入に関わる使用額が当初の予定を下回った。次年度に研究を継続する際に、平成24年度の未使用額を消耗品購入費として使用したい。
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