2013 Fiscal Year Annual Research Report
乳酸代謝能改善をねらいとした高強度間欠的低酸素トレーニングの効果
Project/Area Number |
24650399
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
後藤 一成 立命館大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (60508258)
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Keywords | 低酸素トレーニング / 高強度運動 / 無酸素性パワー / 無酸素性持久力 / 筋緩衝能 |
Research Abstract |
研究1では、低酸素環境下でのペダリング運動時の代謝および運動パフォーマンスを検討した。若年男性8名を対象に、通常酸素環境下または低酸素環境(酸素濃度14.5%)下で行う一過性のペダリング運動時における代謝応答および運動パフォーマンスを比較した。その結果、60秒以内で運動が完結するような間欠的な全力ペダリング運動時における発揮パワーの推移に、両条件間で有意差は認められなかった。 研究2では、陸上競技短距離種目選手に対する短期間の低酸素トレーニングの効果を検討した。陸上競技短距離種目を専門とする男性競技者18名を、通常酸素環境下でトレーニングを行う「通常酸素群」と低酸素環境下(酸素濃度14.5%)でトレーニングを行う「低酸素群」に分類した。トレーニングには自転車エルゴメーターによる間欠的な全力ペダリングを用いて、両群ともに6日間連続で実施した。その結果、両群ともに30秒間全力ペダリングテストにおける発揮パワーや最大酸素摂取量には、トレーニング期間前後で有意な変化はみられなかった。一方、低酸素群では、60m走の加速局面前半部分におけるタイムの有意な向上が認められたが、通常酸素環境群において同様の変化はみられなかった。 研究3では、陸上競技女性マラソン選手に対する長期間の低酸素トレーニングの効果を事例的に検討した。フルマラソン2時間45分前後の記録を有する女性マラソン選手1名に対して、トレッドミルを用いた週2回・8週間にわたる低酸素トレーニング(3分間のランニング×10~20セット、セット間1分休息)を取り入れた。トレーニング期間前後において、時速15kmにおけるランニングエコノミー(酸素摂取量)を評価したところ、トレーニング期間後に約3%の記録改善(酸素摂取量の低下)が認められた。
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