2013 Fiscal Year Annual Research Report
脳・神経における遊離分岐鎖アミノ酸の生理機能の解明
Project/Area Number |
24650406
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
下村 吉治 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (30162738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北浦 靖之 名古屋大学, 生命農学研究科, 助教 (90442954)
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Keywords | 分岐鎖アミノ酸 / 分岐鎖α-ケト酸脱水素酵素キナーゼ / コンディショナルノックアウト / マウス / 神経 |
Research Abstract |
必須アミノ酸である分岐鎖アミノ酸(BCAA)は、種々の生体機能を調節する役割を持つことが明らかにされつつある。本研究では、体内のBCAA機能及びその動態を解明する研究の一環として、脳・神経特異的にBCAA分解を促進してBCAAが不足したマウス(コンディショナル・ノックアウト(KO)マウス)を作製し、脳機能および運動能力における脳のBCAAの役割を検討することを目的とした。KOする標的遺伝子は、BCAA分解を抑制する分岐鎖α-ケト酸脱水素酵素キナーゼ(BDK)であり、このマウスを作製する方法はCre-loxPシステム(Bruning et al. Mol Cell. 1998;2:559-69)を用いた。我々は、すでにこの方法によりこのマウス作製の基礎となるBDK-floxedマウスの作製に成功した。このBDK-floxedマウスよりコンディショナルKOマウスを作製できることを、筋特異的酵素であるクレアチンキナーゼ(CK)のプロモーターを持つCK-Creトランスジェニックマウスと交配させたところ、心筋と骨格筋でBDKを欠損するマウスを得ることができた。次に、BDK-floxedマウス作製過程で得られるBDK-floxed (Neo+) ヘテロマウス同士を交配させたところ、全身でBDKを欠損するBDK-KOマウスを得ることができた。このマウスは、異なる方法で作製されたBDK-KOマウス(Joshi et al, Biochem J 2006;400:153-62)が示す尾懸垂による後肢抱え込み動作を示したので、全身におけるBCAA欠乏は脳機能に異常をもたらすことが確認された。現在、BDK-floxedマウスと神経特異的に発現するsynapsinのプロモーターを持つsynapsin-Creトランスジェニックマウスを交配させ、神経特異的BDK-KOマウスの作成過程である。
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