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2012 Fiscal Year Research-status Report

運動誘発性筋損傷時の炎症反応および酸化ストレスに及ぼす免疫細胞の作用

Research Project

Project/Area Number 24650410
Research InstitutionWaseda University

Principal Investigator

鈴木 克彦  早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (80344597)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
Keywords筋損傷 / 好中球 / 単球 / マクロファージ / 接着分子 / 活性酸素 / サイトカイン / 炎症
Research Abstract

近年、マクロファージは活性化段階でM1/M2の2つのタイプに大別されることが明らかになった。M1マクロファージは炎症性サイトカインや活性酸素を産生することで炎症を惹起するが、一方でM2マクロファージは抗炎症性サイトカインを産生することで炎症状態を抑制する。興味深いことに骨格筋においても、筋損傷早期では炎症促進性のサイトカインを多く分泌するM1マクロファージが筋組織に多く浸潤し、筋損傷後期では炎症抑制性のサイトカインを多く分泌するM2マクロファージが多く浸潤することが報告されている。したがって、骨格筋では損傷時の炎症反応がM1/M2マクロファージそれぞれの異なる機能によって調節されていると考えられる。また、損傷後の筋修復に関しても炎症反応を制御するM1/M2マクロファージが関与する可能性が考えられる。これまで筋疾患病態モデルや薬剤による筋損傷誘発モデルを用いて、筋損傷時のM1/M2マクロファージの働きについては解明が進められているが、運動によって誘発される筋損傷時のM1/M2マクロファージの浸潤の変化および機能については十分明らかにはされていない。
そこで、まずマウスを用いた動物実験で骨格筋の損傷を引き起こすモデルについて検討し、電気刺激による筋損傷は個体間のばらつきが大きいことから、トレッドミルを用いたダウンヒル走による筋損傷モデルで検討することにした。磁気細胞分離装置を用いて骨格筋中の好中球、マクロファージを採取し、測定項目としてはフローサイトメトリーを用いて活性化マーカーの接着分子や脱顆粒マーカーを測定できるようした。また抗好中球抗体やクロドロン酸リポソームを腹腔内投与して血中の好中球や単球を枯渇させた条件での運動誘発性筋損傷の実験も検討を進めた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

ダウンヒル運動誘発性の筋損傷時の骨格筋組織において、M1マクロファージの浸潤を促進するケモカインであるMCP-1の発現やマクロファージの局在を示すF4/80の発現が増加することを認め、活性酸素の産生が亢進することを明らかにした。一方、好中球やマクロファージを枯渇する試薬を用いた実験は、十分な効果が得られなかったため、投与条件から再検討を行うことになった。

Strategy for Future Research Activity

マウスのダウンヒル運動誘発性筋損傷時において、損傷後のM1/M2マクロファージの経時的局在を検討すると同時に、M1/M2マクロファージが筋損傷後の筋修復に与える影響についても検討する。加えて、好中球がMCP-1産生を制御することから、マクロファージ浸潤を介した筋修復における好中球の役割についても検討する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

血液中の炎症性サイトカイン濃度および活性酸素濃度を測定する。また、組織の炎症性サイトカインおよび酸化ストレスに関する遺伝子発現とタンパク質濃度をPCRおよびウエスタンブロッド法により解析する。さらに、血液中の好中球・マクロファージの細胞内活性酸素産生および脱顆粒マーカー発現などをフローサイトメトリー法により解析する。好中球除去抗体投与の実験には安静群および運動負荷群にそれぞれ好中球除去抗体投与および非投与の4群を設定する。

URL: 

Published: 2014-07-24  

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