2014 Fiscal Year Annual Research Report
レジスタンス運動は鉄及びカルシウムの再利用を促進して必要量を減少するか
Project/Area Number |
24650413
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Research Institution | Osaka University of Health and Sport Sciences |
Principal Investigator |
岡村 浩嗣 大阪体育大学, 体育学部, 教授 (10330151)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 鉄 / カルシウム / 運動 / 吸収 / 再利用 / ヘプシジン / 貧血 / 骨 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はレジスタンス運動トレーニングが鉄やカルシウムの体内での再利用を促進して、これらの栄養素の必要量が多いとされるアスリートで、摂取量を増やす必要はないのではないかという仮説を検証することを目的として実施した。 鉄に関しては、鉄欠乏食を与えたラットにレジスタンス運動トレーニングをさせると、鉄の腸管吸収が抑制され糞中排泄量が有意に増加した。しかし、ヘモグロビン濃度などの血中の鉄指標は非運動群と差がなかった。また、ラット全身のホモジネートの鉄濃度を測定することによって算出した、全身の鉄含量にも運動群と非運動群とで差がなかった。これらのことは、レジスタンス運動トレーニングは鉄の吸収を抑制するものの鉄の体内での再利用を促進したために、鉄の栄養状態が維持されたことを示している。 持久的な運動でも鉄の吸収は抑制されるが、貧血などの鉄状態も悪化する。これに対してレジスタンス運動は鉄の吸収を抑制するものの鉄状態は悪化させない。これらのことは、レジスタンス運動トレーニングを行っているアスリートでは鉄の摂取量を必ずしも増やす必要のないことを示唆している。 一方、カルシウムについてはカルシウム欠乏食を与えたラットにレジスタンス運動トレーニングを行わせ、骨のカルシウム含量や破断強度、剛性を主要評価項目として検討した。しかし、鉄のような体内での再利用の促進は明らかではなかった。運動の強度や量、実験期間などの実験条件を変えて検討してみる価値はあると思われるが、レジスタンス運動トレーニングを行っているアスリートがカルシウムの摂取量を増やす必要のないことを支持するような知見は得られなかった。
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