2012 Fiscal Year Research-status Report
小児肥満におけるグレリンおよびグレリン受容体遺伝子多型と食行動習慣の関連解析
Project/Area Number |
24650427
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
中島 久和 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80363985)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
1. グレリン遺伝子およびグレリン受容体遺伝子と小児肥満の食行動・代謝について関連性があるかどうかを検討する研究を進めている。グレリン遺伝子およびグレリン受容体遺伝子の遺伝子多型解析(SNP解析)に必要なプライマーおよびプローべのデザインを行った。Ghrelin遺伝子については、海外の先行研究に照らし合わせて、解析すべきSNP数を5か所にした(rs27647, rs26802, rs696217, rs4684677, rs356839)。グレリン受容体遺伝子(GHSR-1a)については、解析すべきSNP数を4か所に設定した(rs2232165, rs495225, rs2232169, rs572169)。現在症例数が30症例集積されたため、解析を開始した。呼気ガス分析装置で小児肥満患者の安静時基礎代謝率の計測し、遺伝子多型との相関を解析途中である。体格、体脂肪量、骨格筋量、血糖・血清脂質・インスリンなどの代謝パラメーターの測定を測定している。 2. 肥満モデルマウスで血中グレリンを測定し、血中グレリンの意義を確かめた。肥満マウスにαグルコシダーゼ阻害剤を投与すると、肥満改善効果が見られたが血中グレリンに有意な変化は起こらなかった。血中グレリン値だけでは、代謝エネルギーバランスを推測するのは難しいことが予想された。ヒトにおいてはグレリン遺伝子のプロモータ活性やグレリン受容体の安定性に関連するSNPsに注目すべきと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現段階で本研究に協力していただいた小児肥満症例は30症例あまりであり、統計解析に必要な症例数には達してない。 食行動解析に使用するアンケート様式は当初坂田式食行動調査票を使うことを考えたが、坂田式は成人によい適応があるが、小児に適切かどうか検討の余地がある。DEBQ(Dutch Eating Behaviour Questionnaire)という食行動調査票があることが知られているが、海外では小児の食行動の解析にしばしば使われている。日本語訳されたものもあるので、この方法も併用して評価を行う必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
症例数を増やすべく、連携医療機関に対するアンケート調査を企画している段階である。また、自治体の教育委員会に働きかけ、本研究に協力していただける学校を探している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
Taqman Genotyping法で、グレリン(Ghrelin)遺伝子とグレリン受容体(GHSR-1a)遺伝子のSNP解析を行うため、血液DNA採取の費用やリアルタイムPCR用の試薬の購入費用を計上する。血中パラメータの測定費用も必要である。小児肥満の検体を集めるために連携医療機関や近隣の自治体教育委員会に協力を求めるため、アンケート形式で協力体制について郵便で回答を求める。このため、印刷費・通信費を計上する。
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