2013 Fiscal Year Research-status Report
小児肥満におけるグレリンおよびグレリン受容体遺伝子多型と食行動習慣の関連解析
Project/Area Number |
24650427
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
中島 久和 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80363985)
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Keywords | 小児肥満 / グレリン / グレリン受容体 / 遺伝子多型 / 食行動 / エネルギー代謝 |
Research Abstract |
1. グレリン遺伝子多型(Ghrelin&Obestatin)およぼグレリン受容体遺伝子多型(GHSR)と小児肥満の食行動・代謝異常について関連があるかどうか検討を進めた。小児肥満の症例35名を現在まで解析した。グレリン遺伝子について、g.A-604G (rs27647), g.C-501A(rs26802), g.C247A(Leu72Met, rs696217), g.A265T(Gln90Leu, rs4684677), g.G62T(rs356839)のSNPsについて検討した。g.C247A(Leu72Met)に関しては、血清コレステロール値と血清LDLコレステロールとの相関がみられた。成人の報告ではg.A-604Gとg.C247A(Leu72Met)でインスリン抵抗性指標(HOMA-IR)、BMI-Zスコアとの関連が指摘されているが、今回の検討ではいずれのSNPsでもHOMA-R・BMIとの関連は観察されなかった。グレリン受容体遺伝子多型について遺伝子型を含め解析準備を進めている。 2. 食餌性肥満マウスの動物実験にてグレリン血中濃度を測定した。高脂肪負荷食餌にて肥満モデルマウスを作成した。αグルコシダーゼ阻害剤の投与にて血中活性化型グレリン値に有意な変化は起こらなかった。血中のグレリンだけでは全身のエネルギーバランスを推測することは困難と考えられた。αグルコシダーゼ阻害剤の投与で、体重減少、インスリン抵抗性の改善(HOMA‐Rの減少)、酸素消費量の増加が観察された。食餌量は投与群と非投与群で差がなかった。αGIによる褐色脂肪細胞のUncoupling protein-1(UCP1)、PPAR-γ Coactivator-1a(PGC1a)の増加が認められた。αグルコシダーゼ阻害剤で褐色脂肪細胞の熱産生が増加することが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
SNPs解析に使用してるTaqman Genotyping法(リアルタイムPCR)については、解析手技は安定した結果が得られている。データの再現性のあることも確認した。解析症例をふやす方針には変わりない。 食行動のアンケートについては、DEBQ(Dutch Eating Behavior Questionnaire)が簡便で小児への応用にも優れていることを何例かの症例で確認した。今後も症例数を増やす方針である。 オッズ比を算出するための正常対照者の検体およびデータ提供が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
集積した症例の多くは、小学校高学年から中学生であった。変異SNPをもつことによって遺伝的な肥満体質、肥満につながりやすい食行動の性質を明らかにする必要がある。そのため正常対照の募集が必須と考えられる(オッズ比の算出)。正常対照を含めた全体の症例数を増300名程度に増やすべく自治体の教育委員会に研究参加者の募集許可を求めている段階である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
グレリン受容体遺伝子多型の解析のための複数のTaqmanプローベをまだ作成していないので予算に余剰が出たものと考える。また、肥満の指標と云われているアディポネクチンや消化管ホルモン(GLP1)の測定をまだ行っていないので、予算に余剰がでたものと考える。 グレリン受容体遺伝子多型の解析のための複数のTaqmanプローベの作成費を計上する。DEBQ調査票のアンケート用紙の作成費・印刷費を計上する。グレリンやGLP1、アディポネクチンといったホルモン測定キット(ELISA)の購入の費用に充当する予定である。
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Research Products
(10 results)
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[Presentation] Miglitol increases energy expenditure by up-regulating uncoupling protein 1(UCP1) of brown adipose tissue (BAT) and reduces obesity in high-fat diet induced obese mice2013
Author(s)
Sigimoto S, Nakajima H, Ito I, Kodo K, Mori J, Matsuo K, Kosaka K, Aoi W, Yoshimoto K, Ikegaya H, Hosoi H
Organizer
第18回アディポサイエンス・シンポジウム
Place of Presentation
豊中市
Year and Date
20130824-20130824