2013 Fiscal Year Annual Research Report
筆跡の時間情報を用いたメンタルヘルス不調の予兆把握
Project/Area Number |
24650431
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
川口 英夫 東洋大学, 生命科学部, 教授 (50416921)
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Keywords | 心身の健康 / メンタルヘルス / 筆跡情報 / コホート調査 |
Research Abstract |
1.本研究は、内田クレペリン検査における筆跡の時間情報を用いた特徴量が、メンタルヘルス不調の予測力を有するか検討することを目的としている。 2.平成25年度は166名のボランティア学生を対象としたコホート調査(追跡調査)の3回目の調査を実施した(捕捉率は83%)。具体的な調査内容は、デジタルペン(筆跡を13ms・0.3mmの時空間分解能で数値記録できるデバイス)を用いた内田クレペリン検査(ひと桁の足し算を繰り返すストレス負荷検査)とGHQ30(精神的健康度を測定する質問票)を用いた測定である。 3.内田クレペリン検査時の筆跡データから得られた特徴量を用いて、特徴量の値が大きいA群と特徴量の値が小さいB群を比較した。このとき、A群の人数は7名、B群の人数は159名であった。GHQ30の6尺度に関し分散分析した結果、今年度はGHQ30の社会的活動障害の得点にのみA群・B群間に有意差があった(p < 0.05)。なお、この社会的活動障害の群間有意差は1回目の調査時にもみられた(p < 0.05)が、2回目の調査では有意ではなかった。 4.本学医務室と連携し、このコホート調査期間におけるメンタルヘルス不調の発生を調べ、上記の特徴量との関係を検討した。 5.これらの研究結果をまとめて、11月に米国San Diegoで開催された北米神経科学会(Society for Neuroscience)の年会でポスター発表した。さらに、本学会は約15,000件の発表があり関連分野・テーマの研究がほぼ網羅されているので、詳細に研究動向調査を実施した。
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