2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24650433
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
川村 智子 名城大学, 薬学部, 准教授 (30161368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
間宮 隆吉 名城大学, 薬学部, 助教 (70340297)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 癒し / 散策 |
Research Abstract |
自然の中で過ごすことや森林浴は、精神的に良い影響を与えることは認識されているが、その詳細なメカニズムについては充分解明されていない。本研究課題では、高山(乗鞍岳)の植物散策による癒し(リラックス)効果が、何によるものかを基礎科学的に検討した。平成24年7月28~30日の13時に乗鞍岳頂上付近から散策を開始し、およそ2時間かけて30~40種類の高山植物を観察した。参加者4人中全員からリラックスできたと回答を得たものの、植物からの香りはほとんど感じられず、参加者からは仲間と会話を楽しみながらの散策であったこと、また適度な運動が心地良さにつながったとの感想があった。そこで、その効果についてマウスを用いて検討した。集団飼育した10週齢のICR系雄性マウス5匹を刺激的及び魅惑的な器具のある環境下で3時間過ごさせ、その後脳内のドーパミン、アドレナリン、セロトニン及びそれらの代謝物含量をHPLCで測定した。その結果、線条体においてドーパミン含量がわずかであるが増加していた。その他のモノアミンについては変化しなかった。また、代謝物についても特に影響しなかった。 以上のことから、高山植物散策による癒し(リラックス)効果は、当初想定していた嗅覚からの刺激というよりも、気が置けない仲間とのコミュニケーション、興味ある散策活動及び適度な運動によるものと考えられる。しかし本課題の研究期間では充分なエビデンスが得られていないので今後さらに詳細な検討が必要と思われる。
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Research Products
(6 results)