2012 Fiscal Year Research-status Report
うつ病患者周辺者のネットワーク化による患者の対人関係改善支援のための情報環境構築
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24650434
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Research Institution | NTT Communication Science Laboratories |
Principal Investigator |
山下 直美 日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所, メディア情報研究部, 研究主任 (70396141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
葛岡 英明 筑波大学, システム情報工学研究科(系), 教授 (10241796)
工藤 喬 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10273632)
平田 圭二 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 教授 (30396121)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | うつ病 / コミュニケーション環境 |
Research Abstract |
本研究の目的は、回復期のうつ病患者と患者周辺の人々の間のコミュニケーションを情報通信技術(ICT)により支援することで、相互の理解不足に起因するストレスを軽減し、患者を円滑な社会復帰へと導くことである。そのために、平成24年度は、以下の2つの調査を実施した。(1)うつ病患者に対するアンケート:うつ病患者の状態とICT利用特性との関係を調べるアンケート調査を阪大病院において実施した。(2)うつ病患者の家族看護者に対する半構造化インタビュー:患者とのコミュニケーションにおいてトラブルが発生した事例、そのときの対処方法、メディア活用法について半構造化インタビューを実施した。調査の結果、家族看護者は、患者の様々な症状(自責念慮、記憶力低下、易怒性)による影響を受け、ストレス過多の状況にあるが、そのことを医師や近親者に相談することができず孤立する傾向にあることがわかった。これは、周囲の人々に相談することによって、変な噂が立ったり患者への影響を恐れたためである。本調査結果をもとに、うつ病患者への影響を配慮した、家族看護者向けのソーシャルネットワークサービスの必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、うつ病患者とその周辺の人々のコミュニケーション実態や情報技術の利用実態を明らかにする調査を実施し、調査内容を分析し、結果を論文にまとめることができた。論文は、当該分野のトップカンファレンスCHI2013(採択率20%)にフルペーパーで採択され、高評価を得ることができた。医療分野への貢献も確かなものにするために、精神神経学会の総会でも発表する予定である(口頭発表採択済)。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度の研究成果をもとに、うつ病患者の家族看護者に対するソーシャルネットサービスの開発に取り掛かる。まずは、既存のソーシャルネットサービスを参考にして、これに調査結果で得られたニーズを織り込んだペーパープロトタイプを幾つか作成し、それらの比較評価を行う。また、うつ病患者の職場の上司に対して半構造化インタビューを実施し、患者の職場周りでのコミュニケーション実態を明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額47,362円 が生じた主な要因は(1)情報収集などを目的にした国内 出張の回数 が少なかったこと。翌年度以降に請求する研究費と合わせた使用計 画としては、主に物品費・旅費での利用を想定している。
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Research Products
(4 results)