2012 Fiscal Year Research-status Report
レジスタンス運動が血液中の単球およびNK細胞に及ぼす影響
Project/Area Number |
24650440
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
新井 淑弘 群馬大学, 教育学部, 教授 (00302448)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | レジスタンスエクササイズ / NK Cell |
Research Abstract |
本研究はレジスタンス運動が末梢血中のNK細胞活性等に及ぼす影響を明らかにするために、レジスタンス運動の負荷(1回の運動負荷)前後で採血を行い、血液中のNK細胞活性等の解析を行った。今回は実験の初期段階であるため、運動習慣のない健康な若年男性を被験者として採用する。平成24年度は、実験系および調査方法の確立からはじめ、レジスタンス・エクササイズ(1回の運動負荷)が血液中のNK細胞活性等に及ぼす影響について検討を行った。 被験者は当大学に所属する学生から、運動部に属さない男子学生を20人募集し、学内研究倫理審査専門委員会の基本方針に従い、調査・実験を実施した。被験者は無作為に2群に分け、片方の群を運動負荷群とし、もう一方の群を対照群として実験を行い、2週間の後、群を換えて同様の実験を行った。 レジスタンス・エクササイズは、調節式リスト・アンクルウエイトを着用し、全身の筋肉を使えるようにデザインした運動を行わせた。負荷値に関しては各被験者の筋力に合わせた強度で行うため、自覚的運動強度スケール(Borg,1970)をもとに、1セット10回の運動が「Hard(きつい)」と感じられる程度の負荷をかけられるよう被験者一人一人の負荷値を決めた。 運動負荷は各部位の運動を10回ずつ、サーキット形式で1時間行い、採血はその運動負荷の前、直後および運動終了後1時間の3時点で行った。得られたデータは、運動負荷を行った場合と、運動負荷を行わないで同様の条件で採血したときの値について比較、検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究はレジスタンス運動が末梢血中のNK細胞活性等に及ぼす影響を明らかにすることを目的としている。平成24年度は、実験系および調査方法の確立からはじめ、レジスタンス・エクササイズ(1回の運動負荷)が血液中のNK細胞活性等に及ぼす影響について検討を行った。ここまでは、計画書に示す通りで、特に大きな問題はなく進行している。 また、被験者は当大学に所属する学生から、運動部に属さない男子学生を20人募集し、研究全体のデザインは学内研究倫理審査専門委員会の基本方針に従い、十分な説明と理解を得たうえで、実験参加に関する同意書を得た。 レジスタンス・エクササイズは、調節式リスト・アンクルウエイトを着用し、全身の筋肉を使えるようにデザインした運動を行わせた。負荷値に関しては各被験者の筋力に合わせた強度で行うため、自覚的運動強度スケール(Borg,1970)をもとに、1セット10回の運動が「Hard(きつい)」と感じられる程度の負荷をかけられるよう被験者一人一人の負荷値を決めた。心拍数の変化や自覚的運動強度スケールの測定結果から、実験に参加した運動実施群の被験者すべてで、有効な運動強度の負荷が行えたと考えられる。 これらのことから、当初計画していた被験者を集めることができ、有効な運動が実施できたことおよび、各種測定により効果・影響評価が十分に行える実験が実施できていると考えられ、おおむね順調に研究が進んでいると判断できた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の研究は、24年度と同様の実験系を用いて、8週間のレジスタンストレーニングが血液中の単球およびNK細胞活性に及ぼす影響について検討を行う。 被験者は無作為に2群に分け、片方の群を運動負荷群とし、もう一方の群を対照群として実験を行い、8週間の運動トレーニング期間(対照群は通常の生活)の後、4週間の間隔を開け、群を入れ換えて同様の実験を行う。8週間のトレーニング期間、運動群は1日1時間、週5日の頻度でレジスタンス・エクササイズを行わせる。8週間のトレーニング期間の前後で、安静時の採血および形態測定(身長、体重、体脂肪率、胸囲、腹囲、上腕囲、大腿囲など)、各種筋力の測定などを行う。採取された血液は血球計数検査、各種生化学検査、血清プロテオーム解析および単球数、NK細胞活性等の検査、それら免疫系細胞のプロテオーム解析を行う。 得られたデータは運動群と対照群での比較や、最初のトレーニング期間に運動を行った群の後半の8週間での変化等について検討を行い、レジスタンス・トレーニングが血液中の単球およびNK細胞に及ぼす影響および、血清タンパクや単球、NK細胞のタンパク発現に及ぼす影響について検討を行う。 実験当日、被験者には全員同じ時間帯(12:00~12:30)に同じメニューの昼食を取らせ、その約2時間後に採血を行う。また昼食前には問診表により健康状態のチェックを行い、被験者の現在の体調を把握した上で実験に参加させる。採血前には血圧および脈拍数の測定、そして形態測定として身長、体重、BMI、体脂肪率の測定を行う。また、運動時には被験者全員にスポーツ心拍計(POLAR社製)を着用させ、運動中の心拍数を測定する。また、実験開始日から終了日まで毎日、自己記入式の生活状況・健康調査表を記入してもらい、実験期間中、各被験者の健康状態や体調、生活状態の変化を把握する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究を進めるに当たって必要となる測定機器類は、当研究室が現有するものや本学共同利用施設で対応できるよう計画されている。よって、設備・備品費は0円となる。必要経費としては各種測定用の試薬類、試薬調整等で使用するガラス器具、プラスチック器具、採血用のシリンジ、真空採血管などの消耗品が予算の中心となる。 血液サンプルはH25年度の実験では、20人×2時点×2回(群を入れ替えて)=80人分となる。当研究室で現在までに行った測定実績から概算して、一人分の測定に必要な費用は約10,000円であり、H25年度は10,000円×80=800,000円となる。そのほか消耗品に関してはその他、ガラス器具等の実験用消耗品やトレーニング用のウエイトの補充等で50,000円程度が必要となる。 H25年度は実験期間(運動トレーニング期間)が長いことや調査用紙(日常の記録)が多くなるために作業時間を前年度より多く取る必要がある。具体的には4人の実験・研究補助者を使い、それぞれ一人あたり120時間~130時間の作業時間が必要となる。現在の平均単価は時給800円程度なので平均作業時間を125時間として、400(千円)程度と考えられる そのほか、今年度は本研究課題の最終年度にあたるため、研究発表のための費用に使用することを予定している。
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