2013 Fiscal Year Research-status Report
レジスタンス運動が血液中の単球およびNK細胞に及ぼす影響
Project/Area Number |
24650440
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
新井 淑弘 群馬大学, 教育学部, 教授 (00302448)
|
Keywords | レジスタンスエクササイズ / 免疫機能 / NK細胞活性 / 単球 |
Research Abstract |
本研究では、レジスタンスエクササイズが末梢血中のNK細胞(ナチュラルキラー細胞)活性に及ぼす影響と単球に及ぼす影響を明らかにするために、レジスタンス運動を行い、その前後、および運動終了後1時間以内の3時点で採血を行って、NK細胞活性および単球活性にかかわる因子について検討を行ってきた。 レジスタンスエクササイズは、調節式リスト・アンクルウエイトを使用し、全身の筋肉を使うようデザインした運動を、自覚的運動強度(Borg,1970)において「Hard(きつい)」と感じられる重さを選定して実施した。各部位の運動は10回ずつ、サーキット形式で1時間行い、採血はその前後と運動終了後の1時間以内の3時点で行った。運動実施中及び採血終了までの安静時間の心拍数の変動は、心拍メモリー(Polar社)を装着して記録した。NK細胞活性は、採血後速やかに測定を行い、血漿サンプルは-80℃のディープフリーザーで保管した。 運動の実施は心拍数の変化より、自覚的運動強度と一致する程度「Hard(きつい)」であった。また、運動実施前後で大きな変化が見られなかったNK細胞活性は、運動終了後30分程度で低下する結果が得られた。このことから、今回行ったレジスタンスエクササイズは、被験者の免疫機能に、一時的に「オープンウインドウ状態」をもたらすものであったことが確認できた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、レジスタンスエクササイズが末梢血中のNK細胞(ナチュラルキラー細胞)活性に及ぼす影響と単球に及ぼす影響を明らかにするために、レジスタンス運動を行い、その前後、および運動終了後30分の時点で採血を行って、NK細胞活性および単球活性にかかわる因子について検討を行ってきた。 平成24年度では、レジスタンスエクササイズの種類の検討や運動強度、継続時間等の検討と、各種測定方法について検討を行った。心拍数の変化などから、今回の運動負荷は自覚的運動強度とほぼ一致するものであり、研究の目的に合致するものであることが確認できた。 また平成25年度には、レジスタンスエクササイズを実施し、その前後と運動終了後の3時点で採血を行い、NK細胞活性の測定を行った。その結果、運動実施前後で大きな変化が見られなかったNK細胞活性は、運動終了後30分程度で低下する結果が得られた。このことから、今回行ったレジスタンスエクササイズは、被験者の免疫機能に、一時的に「オープンウインドウ状態」をもたらすものであったことが確認できた。 本研究ではさらに、単球に及ぼす影響についての検討を目的としている。平成25年度の研究で、レジスタンス運動の前後と運動終了後1時間以内の3時点で採血を行い、そのサンプルを-80℃で保存することができた。平成26年度についてはそのサンプルを使用して単球の活性化因子の変化等について検討を行っていく。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究では、レジスタンスエクササイズが末梢血中のNK細胞(ナチュラルキラー細胞)活性に及ぼす影響と単球に及ぼす影響を明らかにするために、レジスタンス運動を行い、その前後、および運動終了後1時間以内の3時点で採血を行って、NK細胞活性および単球活性にかかわる因子について検討を行ってきた。 平成25年度までに、レジスタンスエクササイズの種類の検討や運動強度、継続時間等の検討と、各種測定方法について検討、NK細胞活性の測定等を行った。その結果、NK細胞活性は、運動終了後30分程度で低下する結果が得られた。このことから、今回行ったレジスタンスエクササイズは、被験者の免疫機能に、一時的に「オープンウインドウ状態」をもたらすものであったことが確認できた。 平成26年度の研究では、レジスタンスエクササイズが単球に及ぼす影響についての検討を目的としている。平成25年度中に得られた血液サンプルを-80℃で保存して、あるため、単球の活性化因子等の測定を実施する。最初に血清中にみられる活性化因子等の増減についてをELISAで測定し検討を行う。 得られた結果は、順次、学会発表や学会誌の論文等として発表していく。また、本年度は研究の最終年度となるので研究全体の報告書の作成作業を行う。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究では、レジスタンスエクササイズが末梢血中のNK細胞(ナチュラルキラー細胞)活性に及ぼす影響と単球に及ぼす影響を明らかにするために、レジスタンス運動を行い、その前後、および運動終了後30分の時点で採血を行って、NK細胞活性および単球活性にかかわる因子について検討を行ってきた。 当初の計画では平成25年度中に研究が終了する予定であったが、被験者の途中リタイヤや、追加実験の実施等の理由で計画変更を行った。平成26年度はレジスタンスエクササイズが単球に及ぼす影響についての検討を目的とし単球の活性化因子等の測定を実施する。最初に血漿中にみられる活性化因子等の増減についてをELISA等で測定し検討を行う。得られた結果は、順次、学会発表や学会誌の論文等として発表していく。また、本年度は研究の最終年度となるので研究全体の報告書の作成作業を行う。 平成26年度の研究では、ELISAによる単球活性化因子の測定を行うので、その生化学実験のためのキット、試薬、消耗品購入費用などで257,395円を平成26年12月までに予定している。また、人件費として実験補助で144,000円程度(60時間×3人×800円)の出費を予定している。また、研究発表では学会出張旅費や学会参加費、論文投稿料などで125,000円を平成26年度末までに予定している。
|