2013 Fiscal Year Research-status Report
運動刺激負荷下でのハーブ創傷治癒活性検出法の新規開発
Project/Area Number |
24650441
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
野村 純 千葉大学, 教育学部, 教授 (30252886)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 敏和 和洋女子大学, 健康栄養学類, 准教授 (70270527)
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Keywords | 創傷治癒 / メカニカルストレス / ハーブ抽出成分 / スカーレスヒーリング / メディカルハーブ / 細胞運動 / 炎症反応 / 検出系 |
Research Abstract |
本研究の目的は、我々が開発した信州区運動家での創傷治癒モデルとその知見を基盤として活用し、ハーブ、薬藻類から効率的に創傷治癒活性を持つ生理活性物質を検出する系を構築することである。 本年度は、3つの点からシステム開発を進めた。(1)細胞運動の観測によるハーブ生理活性物質検出システムでは、まず(1-1)細胞運動持続観察システムを用いた不死化細胞株でのメデイカルハーブによる細胞運動抑制活性の検出を行った。RAW263細胞にハーブ(S)抽出物を添加するとその細胞運動の抑制が観測された。(1-2)また温度制御系の連動により、細胞運動の温度依存性変化を確認した。(2)ファゴサイトーシスのハーブ生理活性物質検出システムとしては、ヒト正常多核白血球および不死化細胞株を用いた系構築を行った。(2-a)市販のラテックスビーズに代わる貪食ターゲットとして酵母および大腸菌を用いたFITC標識人工貪食標的を作成した。この過程で標識に用いる細胞の固定方法(試薬、濃度、時間、温度)、蛍光試薬の種類、クエンチング剤とその方法を検討した。この結果、蛍光顕微鏡およびフローサイトメーターでハイスループット解析可能な実験系の基盤材料開発を行った。(2-b)またルミノビーズを用いた多核白血球の貪食能検出システムを開発した。現在ヒト不死化細胞株への応用系構築に取り組んでいる。(3)ハーブ生理活性物質による2次変化検出系の構築に関しては(3-a)プロテインアレイ系の開発をELISAベースの方法とビーズを用いたフローサイトメトリー法の2点について行った。この結果セントジョーンズワートによるサイトカイン産生能の変化を示唆するデータを得た。(3-b)RealtimePCRを用いたmRNAレベルでのサイトカイン産生能の変化を観測するシステムについても開発に着手し、変動を認めるデータが一部得られてきている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は(1)細胞運動の観測によるハーブ生理活性物質検出システムでは、細胞運動持続観察システムを用いたヒトおよびマウス不死化細胞でのメデイカルハーブ由来成分による細胞運動抑制活性の検出を行った。(2)ファゴサイトーシスおよび細胞内取り込みからのハーブ生理活性物質検出システムとしては、ヒト正常多核白血球、単核球およびヒト不死化細胞株を用いた系構築を行った(3)ハーブ生理活性物質による2次変化検出系の構築に関しては(3-a)プロテインアレイ系の開発を行った。(3-b)RealtimePCRを用いたmRNAレベルでのサイトカイン産生能の変化を観測するシステムについても開発に着手した。 このようにハイスループット検出系の開発は順調に進んでいる。今年度はこの成果を正式に公表するに至らなかったので「おおむね順調」と評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
H26年度は、現在進行中の(1)細胞運動の観測によるハーブ生理活性物質検出システム、(2)ファゴサイトーシスおよび細胞内取り込みからのハーブ生理活性物質検出システム、(3)ハーブ生理活性物質による2次変化検出系の構築をさらに推進する。 特に(4)組成生物の分画および精製系の開発に着手し、より詳細な活性評価システムを構築することが本年度の目標である。(1)に関してはさらに長時間での解析を可能にする。(2)に関してはフローサイトメトリーを活用したエフェクターの分画を行い、効果発現系についてさらに詳細な解析を可能とする。またルミノビーズを用いた細胞運動およびファゴサイトーシス活性検出系は、ヒト不死化細胞株での検出を可能にすることが大きな目標である。これは研究成果の普遍性を高めるうえでも欠かせない改良である。(3)に関しては特にRealtimePCRを用いたmRNAレベルでのサイトカイン産生能の変化の検出系を拡張し、サイトカインパネル解析を目指す。新規(4)に関してはpH依存性分離技術などを基盤として開発を進める。 最終的にこのプロジェクトで開発した系を総合的に組み上げ、生理活性物質ハイスループット系開発を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
試薬の一括発注や、相見積によるコスト削減を図った結果、当初予定より低価格での購入が可能になったため、6082円の次年度使用額が生じた。 平成26年度も引き続き低コストでの購入を推進するとともに、コストダウンも見越した使用計画を立て、適正執行を行う。
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Research Products
(5 results)