2014 Fiscal Year Annual Research Report
若齢期における食育および体育のレガシー効果と肥満および運動記憶因子の探索
Project/Area Number |
24650449
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
木村 真規 慶應義塾大学, 薬学部, 講師 (40383666)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 運動 / 肥満 / 脂肪 / 肝臓 / 骨格筋 / レガシー効果 / マイクロアレイ / エピジェネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,若齢期の肥満・運動の経験により長期に亘って体重(体脂肪量)を変化させるレガシー(遺産)因子を解明することを目的として検討を行った. 平成24年度および25年度には,3週齢の雄性ICRマウスを対象に1週間の予備飼育を実施し,4週齢時に平均体重が一致するように以下の5つに群分けした.1) 普通食(ND-ND)群:4週齢より普通食を与えて24週齢時にサンプリングを行った.2) 高脂肪食(QF-QF)群:4週齢より高脂肪食を与えて24週齢時にサンプリングを行った.3) 高脂肪食→普通食(QF-ND)群:4週齢より高脂肪食を与えて14週齢まで飼育し,14週齢時に高脂肪食を普通食へ変更して24週齢時にサンプリングを行った.4) 運動(EX-EX)群:4週齢より回転ホイール付のケージを用いて24週齢まで自発運動が可能な環境で飼育した.餌は普通食とした.5) 運動→普通食(EX-ND)群:4週齢より回転ホイール付ケージを用いて14週齢まで飼育し,14週齢時に運動を中止して24週齢時にサンプリングを行った.餌は普通食とした. 平成26年度は,-80℃で凍結保存した副睾丸周囲脂肪,肝臓,下肢骨格筋組織からTotal RNAを抽出し,マイクロアレイ法による網羅的遺伝子発現データの解析を実施した.約3万個の遺伝子を対象に解析を行った結果,QF-ND群およびEX-ND群はND-ND群と同様の体重であり,10週間に亘って同様の食・生活環境であったにも拘わらず,両者ともND-ND群とは発現の大きく異なる遺伝子を多数有していた.以上の結果から,4週齢から14週齢までの若齢期の食・生活環境が24週齢時の脂肪,肝臓,骨格筋組織における遺伝子発現に対して長期に亘って影響を及ぼし,レガシー効果を生じる可能性が示唆された.
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