2013 Fiscal Year Annual Research Report
運動時における血中免疫細胞動態と循環・自律神経・ホルモン分泌調節の関係性
Project/Area Number |
24650450
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
一之瀬 真志 明治大学, 経営学部, 准教授 (10551476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴井 正敏 明治大学, 経営学部, 教授 (10187693)
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Keywords | スポーツ免疫学 / 循環調節 / 自律神経調節 / NK細胞 / 末梢反射 |
Research Abstract |
運動時には,循環血液中の白血球数が増加する.これは,身体活動にともなう外傷や出血などに対して極めて効果的な生体防御システムであると考えられる.運動時の白血球数増加は,主に末梢血流量増加やカテコールアミン分泌増加によって起こると考えられているが,血中免疫細胞動態の制御メカニズムには不明な点が多く残されている.末梢血流量は,随意運動のみでなく,受動的運動によっても増加するが,受動的運動時においても免疫細胞動態に変化がみられるのかは明らかではない.平成25年度においては,受動的運動が血中免疫細胞動態に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした. 10名の健康男性を被験者とした.被験者は,半仰臥位姿勢をとり,前方に設置された自転車のペダルに足を固定した.この自転車のペダルを検者が漕ぐことで,被験者に受動的な自転車運動を行わせた(タンデムバイク法).受動的自転車運動のペダル回転数は,40回/分,60回/分,80回/分の3段階に設定し,それぞれ7分ずつ段階的に実施した.受動的運動前の安静状態および各ペダル回転数での運動開始後5分目に採血を行った.受動的運動により,動脈血圧と心拍数,心拍出量が上昇したが,血漿アドレナリンとノルアドレナリン濃度は増加しなかった.白血球の動態では好中球をはじめとする白血球分画には変化は見られなかった.また,リンパ球分画におけるNK細胞濃度やその傷害活性にも変化はみられなかった.これらの結果から,循環血流量の増加は,運動時における循環血への白血球動員の主要なメカニズムではないことが示唆された.本研究の成果は,運動時における血中免疫細胞動態の制御メカニズムの解明を進め,運動による健康増進の効果などを考える上で重要な資料となると考えられる.
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Research Products
(6 results)