2014 Fiscal Year Research-status Report
独居高齢者の安否確認と病院・民間連携による栄養サポートシステムの開発
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24650462
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Research Institution | Matsumoto University |
Principal Investigator |
藤岡 由美子 松本大学, 人間健康学部, 講師 (90410266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 美千代 松本大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (30508453) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 独居高齢者 / 在宅療養患者 / 栄養食事サマリー / 栄養ケア・プロセス / 管理栄養士養成教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
安否や健康状態に関する情報を入力するタブレッド型コンピュータやスマートフォンのアプリケーションソフトを開発している。 画面上のスケジュール表に、毎回の食事を撮影して取り込み、健康状態(食欲、体調、気分、病態)や生活活動状況(睡眠、運動、家事などの内容や時間)を記録できる。内 容は、双方向的に管理栄養士やサポートスタッフが閲覧でき、対象者に対するコメント を記録するだけでなく、ビデオメッセージを保存し、いつでも繰り返し観ることができ るようにする。 栄養食事サマリーをインターネット上で双方的に交信するコンピューターソフトを開発し、試作版を管理栄養士養成教育における授業で実践した。基本システム(記録様式) には、国際標準化が推奨される栄養ケア・プロセス(栄養アセスメント、栄養診断、栄 養介入、評価とモニタリング)を採用した。欧米では既に一般化されているシステムで はあるが、国内では普及に時間を要することから、管理栄養士教育での実践を推奨して いく。 授業では、新しい概念である「栄養診断」の結果を中心に、従来のシステムである栄養 ケア・マネジメント(栄養スクリーニング、栄養アセスメント、栄養プランニング、実 施、栄養モニタリング)と比較した論文を投稿し、2016年にはスペイン(グラナダ)で開催される17th International Congress of Dieteticsにて発表する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2つのプロジェクトを同時進行していく予定だったが、自身が監修する教科書の執筆と、本研究以前の論文執筆に時間を取られてしまったため、1つずつ取り組んできた。 最初のプロジェクトに2年を要したことから、現在取り組んでいるプロジェクトの研究期間を1年延長して完成に漕ぎ着ける。
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Strategy for Future Research Activity |
病院で開催される糖尿病教室や炎症性腸疾患の患者会のサポートを継続しているなかで、開発したシステムを、上記の独居高齢者および在宅療養患者の安否や健康状態の確認に活用する。 糖尿病教室は、年6回設定されているが、そのうち1回を毎年本学で開催している。独居高齢者や在宅療養患者が、自宅でどのような食生活を行っているかを、これまでサポートする医療スタッフが把握するのは困難だったことから、本システムを活用し、面会までの記録を瞬時に確認できれば、より詳細な情報から適切な栄養教育に繋げられる。この6年間の活動をまとめた論文は、まもなく投稿する。 炎症性腸疾患の食事療法は、低脂質、低残渣、低刺激食が基本であるが、個々の患者によって避けなければならない食品が全く異なることから、継続することが困難だといわれている。しかし、新しい治療法により、食事療法の是非が問われており、主治医の治療方針によっては、食事療法の必要性がなくなり、その副作用や耐性が懸念されている。従って、本研究で開発したソフトにより、個々の患者の既往歴を踏まえて、一回一回の食事を精査し、病態との関連を確認するための実用化を急いでいる。 最後に、スポーツクラブにおいて約2年に渡り、毎日の食事と運動および気分の状態を記録する機会に恵まれた。本システムは、病態の管理だけでなく、健康教育やスポーツ指導に応用することができる。インターネットを利用して、毎日会える状況にない選手とコーチ等が、食事やトレーニングの内容について情報交換を行えるよう、本システムの応用化を図っていく。
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Causes of Carryover |
最初のプロジェクトに2年を要したことから、現在取り組んでいるプロジェクトの研究期間を1年延長したためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
アプリケーションソフトの開発費に充当し、タブレットコンピューター等を追加する。
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