2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24650465
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
金澤 等 福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (50143128)
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Keywords | 繊維 / 有機化合物 / 吸着 / 分子間相互作用 / 合成ポリペプチド / 蒸気圧 |
Research Abstract |
れまでの各種繊維と合成ポリペプチドに対する各種アルコ-ル、他の有機化合物蒸気の吸着実験をおこなった結果、各種高分子材料に対する有機化合物の吸着パターンは、それぞれ異なる事を見いだした。このことから吸着には高分子の微細な分子構造が反映すると考え、分子構造と吸着の関係をみる事にした。高分子材料として、各種繊維に対する一般的な揮発性有機化合物の吸着を検討した。2.実験 1)繊維:綿、麻、羊毛、絹、レーヨン、アセテ-ト、アクリル、ナイロン、ポリエステル、ビニロン。吸着物質:各種アルコール、ベンゼン置換体、アセトニトリル、ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、デカンなど。 2)吸着実験 特別設計の密閉容器の底部に各種有機化合物を単独または混合物としておき、その蒸気を容器の上部に置いた各種繊維またはポリペプチドに所定時間さらした。吸着物質を酢酸エチルで抽出し、ガスクロマトグラフィーで分析した。材料の表面積は、ガス吸着測定装置(Quantachrome AUTOSORB-1)で測定した。 3.結果・考察 各種繊維に対して、5種類のアルコ-ルの混合物からの吸着を検討した。蒸気圧の高い順序は、「メタノール>エタノ-ル>2-プロパノ-ル>1-プロパノ-ル>1-ブタノ-ル」であるが、吸着傾向は蒸気圧以外の因子が関わると見られた。5種類のアルコ-ルを単独で吸着し、蒸気圧と吸着量の変化をみた。圧力5kPaの時の吸着結果から次のことが挙げられる。1)綿とレーヨンでは、レ-ヨンにはメタノ-ルが多く吸着する傾向が見られた。2)レーヨンには、メタノールとエタノールが多く吸着した。また、ポリエステルには、メタノールと1-プロパノールが多く吸着した。ナイロンやアクリルにはエタノ-ルが多く吸着した3)各繊維に1-プロパノ-ルより2-プロパノ-ルの方が吸着量が多かった。 さらに詳細に検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
吸着現象の分子論的解釈は難解であるが、他の分析では不可能な材料jについて、単純な吸着から、識別可能である結果を多く見出している。
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Strategy for Future Research Activity |
繊維と有機化合物の吸着現象を解明するためには、構造が類似した一連の高分子化合物について、その有機化合物吸着を分析して、「吸着でどこまで高分子の微妙な違いが見出せるか」、という課題に取り組む。その結果、各種繊維の吸着を決定する分子間相互作用についても、深い考察が可能となるであろう。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
不要なものを入手しないで、熟考のうえ翌年度に、有効に使用しようとした。 学会の発表件数が予定外に増えたため、旅費を増やした。
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Research Products
(37 results)