2014 Fiscal Year Research-status Report
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24650465
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
金澤 等 福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (50143128)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 繊維 / ポリアミノ酸 / 有機化合物 / 吸着 / 鑑別法 |
Outline of Annual Research Achievements |
繊維やタンパク質に対する有機化合物の吸着の規則性を見出して、新しい材料鑑別法を提案する事を目標とする。各種繊維に対する種々の有機化合物の吸着実験を行った結果、吸着には高分子の微細な構造が反映した。詳細な検討には、構造の僅かに異なる高分子が必要となった。そこで、各種ポリアミノ酸を合成して、有機化合物吸着を考察した。【実験】1)ポリアミノ酸(グリシン、L-アラニン、L-バリン、L-ロイシン、L-フェニルアラニン残基)、ポリ(β-ベンジル-L-アスパルテート)(PBLA)、ポリ(γ-メチル-L-グルタメート)(PMLG)、ポリ(γ-ベンジル-L-グルタメート)(PBLG)、ポリ(γ-エチル-L-グルタメート)(PELG)を合成した。2)吸着物質:アルコール、ジクロルベンゼン(DCB)、アセトニトリル(ACN)、ジオキサン、DMFなどを用いた。3)吸着 特製容器に化合物を単独または混合物として入れ、蒸気をポリペプチドに24時間さらした。吸着物質の酢酸エチル抽出液のGC分析から吸着量を測定。4)表面積 ガス吸着測定(Quantachrome AUTOSORB-1)で求めた。5)分子形態 FTIR(Shimadzu, Prestage-21)のATR法で測定。【結果と考察】9種の化合物の混合物からの吸着を行った。蒸気圧の高い順序:メタノ-ル>ACN>ジオキサン>トルエン>p-キシレン>アニソ-ル>デカン>DMF>DCB。結果は蒸気圧の順にならなかった。3種のポリグルタメートへの吸着に、次の違いが見られた;①PBLG:メタノ-ル>ACN>ジオキサンの順に吸着、②PMLG:ACN > ジオキサン > メタノ-ル>トルエンの順に吸着、③PELG:ACN > メタノ-ル>ジオキサンの順に吸着。この結果、メチル、エチル、ベンジル基の違いが吸着に反映されていた。分子構造からの解釈を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに合成したポリアミノ酸と新しく合成したポリアミノ酸を有効に使えた。
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Strategy for Future Research Activity |
結果の分子構造からの解釈には、まだ時間が必要である。また、吸着実験の簡素化を考慮しなければならない。
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Causes of Carryover |
当初の目的を達成しつつ、消耗品費、旅費等の経費削減に努め、次年度の追加実験のための消耗品購入、研究打合せの旅行のために予算を留保した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
分子形態の異なるポリペプチドの吸着特性についてまとめる。 繰越費は主として、「吸着実験とポリマー合成を行うために必要な特製のガラス器具、および必要な試薬類、記録用機器の購入」、「研究打合せ及び学会発表の旅費」に用いる。
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Research Products
(40 results)