2012 Fiscal Year Research-status Report
疑似的温冷感による快適性および予防医学的衣料の開発
Project/Area Number |
24650468
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
芝崎 学 奈良女子大学, 生活環境科学系, 准教授 (00314526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根岸 裕子 奈良女子大学, 生活環境科学系, 助教 (50523841)
久保 博子 奈良女子大学, 生活環境科学系, 准教授 (90186437)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 皮膚血流量 / 温度感覚 / 皮膚感覚刺激 / カプサイシン |
Research Abstract |
複数の人が共有するスペースにおいて、個々人が快適な温度環境を有するためには、衣服による調節が最適である。「快適な衣による温度環境」=「身体への熱移動をいかに制御するか」と、考えられるが、本研究はその視点を変え、温度を受容する感覚を操作することによって、快適な温度環境または生活環境を提案する方法を模索する。同時に、熱中症の発症の高い高齢者の温度感受性の低下に注目し、温度変化に対する反応性を高めるための衣服について検討することを目的とする。 本年度では、市販されている温冷感覚に影響する製品で生体反応を計測した。まずは既知の温度感覚を惹起させるカプサイシンやメントールを用いて基礎データを収集するために、薬草湯に皮膚を浸けることによって、温冷感がどのように変化するかを検討することを試みた。生体反応として、刺激部およびその周辺の皮膚温、体温調節効果器で熱移動に影響する皮膚血管反応、求心性入力を反映する局所温冷感と温冷感覚閾値を測定した。当初、カプサイシン等を水溶液として含有させて検討する計画を立てていたが、一定時間皮膚表面上に保持しなければ効果が得ら得なかったことから、ゲルによる塗布に変更した。しかし、ゲルによる屈折率の変化が皮膚血流量測定に影響を及ぼしていることが考えられたため、当初の別実験として計画していた足浴を用いて左右の溶液を変えて検討することとなった。 皮膚血流量測定方法が変更されたために、実験環境の構築に時間を要し、現在実験を進行中である。足浴を用いると、体温の上昇が影響し、局所の温度感覚の判別が個人によって困難になることが判明した。そのため、皮膚血管反応実験と温度感覚実験とを分離して実施している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
皮膚感覚刺激物質は水溶液として塗布することとしていたが、皮下に浸透するためには皮膚表面に一定時間保持する必要があり、ゲルを用いて再検討した。しかし、ゲルによって皮膚表面の形状が変わり、個人によって皮膚血流の値が異なることが判明した。温度感覚実験にはゲルによる塗布を用いることができると思われ、こちらは継続して実施するが、皮膚血管反応に関しは、当初別途計画していた足浴による負荷方法に変更する必要があった。皮膚血流量測定方法が変更されたために、実験環境の構築に時間を要し、計画が遅れ気味となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
皮膚血管反応および皮膚温が安定した状態において、熱流束方式温冷覚閾値計によって客観的に温度感覚の変化閾値を測定し、主観的温度感覚の変化についても調査する。 皮膚血管反応実験に関しては、別実験として計画していた足浴による負荷方法で検討することとする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(1 results)