2013 Fiscal Year Research-status Report
疑似的温冷感による快適性および予防医学的衣料の開発
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24650468
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
芝崎 学 奈良女子大学, 生活環境科学系, 准教授 (00314526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根岸 裕子 奈良女子大学, 生活環境科学系, 助教 (50523841)
久保 博子 奈良女子大学, 生活環境科学系, 准教授 (90186437)
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Keywords | 皮膚血流量 / 温度感覚 / 皮膚感覚刺激 / カプサイシン |
Research Abstract |
本研究では衣服を用いて、温度そのものを物理的に変化させるのではなく、衣服を介して、温度感受性を変化させ、快適な生活環境ならびに熱中症予防策を可能にする方策を模索することを目的としている。平成25年度は温度感覚を変化し得る溶液に浸水させ、水温に対する温度感覚の変化を検討した。昨年度、ゲル状の添加を検討したが、非接触型レーザードップラーでの計測上の問題点が判明したため、当該年度は生理反応計測を優先した。研究計画当初の基礎データ3(定常水温による影響)と4(入浴時および浴後の過渡応答)を実施した。基礎データ3に加えて、水温を変化時の反応を検討した。また、既知のカプサイシンとメントールを足浴用水槽に溶かして実験を進めようとしたが、温度感覚を変化させるものの、痛みを伴わない安全な濃度を見いだすことが難しく、現在最適な濃度を検討中である。また回復期に時間を要するために繰返しの実験が難しいことが判明したため、実験プロトコールを再検討している。温度感覚を変化させるために既存の入浴剤を複数種使用した。片側には蒸留水に入浴剤を溶かし、反対側は同じ水温の蒸留水を用いた。30分間の定常水温では、VASで評価した温度感覚には水温による差は認められなかった。水温上昇時においても差は認められなかったが、高温負荷時において浸水負荷後のリカバリー時に温度感覚に差が認められた。非接触型皮膚血流画像装置で皮膚血管反応を比較したところ、高い温度感覚を維持した方では皮膚血流は高値を示した。浸水負荷終了直後の皮膚血流には差が認められなかったため、薬剤によって皮膚血管拡張が維持されたことが温度感覚に影響したものと示唆された。また、皮膚血管拡張の分布には個人差がみられたが、半数以上の被験者において土踏まずのところの血管拡張が維持された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の反省から刺激方法を修正し、予定した実験を進めることができた。次年度は初年度の課題の修正をクリアすることを目的とする。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に課題の修正を必要とした項目を再度検討する。 局所温度感覚実験との併用を検討し、視覚的アナログスケールとの関係性を明らかにする。 追加実験として、脳波測定による複合的温度刺激時の反応性を検討する。
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Research Products
(5 results)