2014 Fiscal Year Annual Research Report
疑似的温冷感による快適性および予防医学的衣料の開発
Project/Area Number |
24650468
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
芝崎 学 奈良女子大学, 生活環境科学系, 准教授 (00314526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根岸 裕子 武庫川女子大学, 薬学部, 助教 (50523841)
久保 博子 奈良女子大学, 生活環境科学系, 教授 (90186437)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 皮膚血流量 / 温度感覚 / 皮膚感覚刺激 / メントール |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では衣服を用いて、温度そのものを物理的に変化させるのではなく、衣服を介して、温度感受性を変化させ、快適な生活環境ならびに熱中症予防策を可能にする方策を模索することを目的としている。 これまでの実験アプローチから熱性の刺激を誘発するカプサイシンを用いた場合、繰り返し実験に対して、初期刺激で痛みを生じると、温度感覚よりも痛みの影響が大きくなるため、温度感覚の再現性が低くなることが判明した。また、昨年度の結果から温度感覚は高温側において指数関数的に上昇するため、本年度は冷温側に特性のあるメントールのみとした。メントールは冷感覚を誘発するが、ある一定の濃度(個人差が大きい)を越えると、痛みの影響があるため、事前のスクリーニングを実施した。局所温度刺激装置を用いて、周期性の温度刺激に対する温度感覚評価を5つの異なる安静時温度レベル(10,18,28,33,36℃) で実施した。メントールを処置することによって、初期の冷感覚が高まり、VASで評価した値は低値を示したが、36℃ではメントールの効果は認められなかった。それ以下の温度では、周期性の温度刺激に対する温度感覚幅は増大し、その差は維持されたが、10℃では繰り返すことによって徐々に感覚幅が小さくなった。また、温度上昇時と温度下降時では安静時温度によって異なり、10℃では温度上昇時に効果が認められ、下降時には効果は小さくなり、33℃では逆に温度上昇時に効果はなく、下降時に顕著な効果が認められた。さらに、本研究ではNIRSを用いた実験まで実施できなかったが、本研究結果の客観性を確認するため、求心性神経のAδおよびC線維を電気刺激し、脳波からその反応性を評価した。メントールを塗布することで脳波の反応が増大することが確認されたことより、今後NIRSまたはその他の高次脳機能評価装置による評価方法の確立への可能性が高まった。
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Research Products
(15 results)