2012 Fiscal Year Research-status Report
衣服の快適性評価への新たな計測法の提案とその可能性
Project/Area Number |
24650474
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
鳴海 明 神奈川工科大学, 工学部, 教授 (50100764)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 衣服内気候 / 温度・濃度分布同時測定 / 非定常測定 |
Research Abstract |
本研究は,衣服内気候と言われている皮膚と衣服の間の狭い空間における人体から生じた発熱と発汗による衣服を通しての熱と物質移動現象を計測するために,ホログラフィ干渉法と赤外線吸収法を組み合わせた新しい計測手法を提案し,その可能性を検討することを目的としている.平成24年度は,そのための第1段階として,衣服内気候を再現する測定部を製作し,単波長を用いたシンプルなシステムで光学系をセッティングし,本研究で提案したホログラフィ干渉法と赤外線吸収法を組み合わせて,本計測法の可能性を検討した.その結果,得られた可視化画像および解析結果から,本計測法が衣服を通しての熱および物質移動の様子を的確に捉えていることを示すことができ,精度には改善が望まれるものの本計測法は衣服内気候を計測できる可能性を有していることを明らかにすることができた.現在は,本計測法の精度向上に向けて,空間的分解能および温度・濃度の測定感度をそれぞれ向上させるという観点から,当初の計画に沿って①単波長に代わって二波長ホログラフィ干渉法を導入し,濃度計測の信頼性を向上させるほか,②ホログラフィ干渉法の精度向上のために,スムーズな開閉が可能な範囲内での測定部の測定長を拡大させることの検討,③実際の衣服内気候の計測に向けて水蒸気の吸収特性に優れた近赤外線を用いた吸収法システムの導入のための準備を進めている.①についてはより慎重に精密なセッティングを行っている段階であり,②については,より広い範囲にわたってテンションをかけた状態で生地を一様に張ることおよび瞬時に均等に大きなアルミ板を開閉させることの難しさにぶつかっており,更なる工夫が必要な状況である.③については近赤外線用の光学系パーツの手配・納品は終了しており,今後この光学系を組み,実施する段階となっている..
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の実験計画では,二波長ホログラフィ干渉法と赤外線吸収法を組み合わせた計測法を平成24年度中で実施する予定であったが,光学系のセッティングに時間がとられ,この計測法の実施は平成25年度にずれ込んでしまった.しかし,平成24年度に実施した単波長ホログラフィ干渉法を用いた計測結果は,本計測法の有用性を実証しており,その点からは順調と言える.
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の研究により,本研究で提案した計測法は,空間的分解能および温度・濃度計測の感度の向上を行うことにより,十分衣服内気候の温度・濃度分布が計測できうる手法であることが分かった.以上のことを踏まえ,当初計画していた二波長ホログラフィ干渉法と赤外線吸収法を組み合わせた手法を試みる前に,測定部の測定長を増加させ,ホログラフィ干渉法の精度向上を図るとともに,水蒸気吸収特性に優れた近赤外線を用いて,実際の衣服内気候により近い挙動と考えられる水蒸気の生地を通しての熱および物質移動特性の計測を平成25年度では優先させて実施する予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし.
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Research Products
(3 results)