2012 Fiscal Year Research-status Report
燃焼系D-アミノ酸増強トマト果実におけるキラル技術の応用
Project/Area Number |
24650479
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
井上 眞理 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (60091394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯淺 高志 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (40312269)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | トマト / 果実 / アミノ酸 |
Research Abstract |
従来,高等植物にはL-アミノ酸の重合したタンパク質が重要であり、D-アミノ酸はほとんど存在せず,その生理的意義や生成メカニズムは依然として明らかではない.しかし,様々なD-アミノ酸のうちアラニン、セリン、バリン、ロイシン、トリプトファンのD体は強い甘みを呈することが判明している.特にD-アラニンは魚介類、アサリ、カニなどの甘み成分としてL-アラニンとともに高濃度で含まれている.D-アラニン生合成にはL-,D-アラニンのラセミ化を触媒するアラニンラセマーゼが関与しており,細菌や真核生物ではピリドキサールリン酸(ビタミンB6)を補酵素とする一群の酵素が報告されている. そこで新規な食感覚としてD-アラニン含むトマト果実を作出する目的で,藻類,酵母から報告されているアラニンラセマーゼ遺伝子と相同性の高い遺伝子候補をトマトESTデータベースより探索した.既知のアラニンラセマーゼ遺伝子と相同性の高い2つのトマトEST塩基配列を元に、常法に従いトマトcDNAライブラリーを鋳型に3’-RACE法により,二つの遺伝子, SlAlaRacemase1およびSlAlaRacemase2をクローニングして塩基配列を決定した.さらにこれらの遺伝子をpGEX4T-1ベクターに組み込み,グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)融合タンパク質を大腸菌において発現,精製することにより,予想分子量と一致する45kDaおよび47kDaのGST融合タンパク質を調製することに成功した.今後は,この遺伝子産物の生化学的諸性質および遺伝子の発現プロファイルの解析を予定している.一方で,トマト果実の糖度向上にも着目し, 糖代謝制御に関わるSNF関連キナーゼが花や若い果実で特異的に発現することを見い出した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
American Journal of Plant Sciences に1報を発表している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では,特定のアミノ酸プール形成メカニズムと生成したD-アミノ酸の輸送機構の解析を行う. D-アミノ酸代謝・蓄積を調節する分子メカニズムについて明らかにすることにより,新食感甘味D-アミノ酸を含有する機能性食品として栄養価の高いトマトを生産する方法について考察する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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