2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24650497
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Research Institution | Fukuoka Women's University |
Principal Investigator |
重藤 麻美 福岡女子大学, 人間環境学部, 研究員 (20458110)
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Keywords | 味蕾 |
Research Abstract |
味蕾は、構成する細胞の形態とその配置によって、周辺の重層扁平上皮と明瞭に区別され、それらの細胞は10~14日ほどで入れ替わっている。それにも関わらず、その形態形成・維持の仕組みはほとんど分かっていない。 そこで、本研究では、味蕾の形態形成・維持に関与する古典的カドヘリンを同定し、味蕾におけるその機能を解析する。 本研究を行うにあたって、これまでに、味蕾が多数存在する有郭乳頭を含む組織と、そこに隣接するが味蕾をほとんど含まない組織を用い、RT-PCRによって検討した。その結果、それらの組織間で、現在までに報告されている古典的カドヘリンのうち4種において、増幅量に差があることが分かった。この結果を踏まえ、平成25年度は、より詳細な検討を行うため、レーザーマイクロダイセクション法により切り出した、有郭乳頭の味蕾を構成する細胞と、その周辺の上皮細胞を用いて同様の実験を行った。その結果、現在までに報告されている古典的カドヘリンのうち10種において、増幅量に差があることが分かった。現在、それらの古典的カドヘリンの局在を検討するため、免疫組織化学法およびin situ hybridization法による解析を行い、さらに研究を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度の研究実施計画のうち、「1.味蕾で発現する古典的カドヘリンの同定」については、レーザーマイクロダイセクション法を用いたサンプルの回収、および、それらを用いた、RT-PCRによる検討を終えており、順調に研究を進めている。しかし、「2.コンディショナル遺伝子改変法を用いたノックアウトマウスの作製のためのKRT14-Creマウスの組織特異的発現の確認およびターゲティングベクターの構築」については、現在、研究を進めてはいるが、マウスの入手には至っておらず、研究の進捗状況としては遅れていると言わざるを得ない。予定より遅れた理由として、1.の研究で使用したレーザーマイクロダイセクション法が、薄切した標本から、細胞レベルでサンプルを回収するという特徴を持っており、十分な量のサンプルを準備するには、想定していたより膨大な時間が必要であったことがあげられる。ただし、平成26年度に予定している「亜鉛欠乏マウスにおける古典的カドヘリンの発現解析」に必要なサンプルを、予備的ではあるが準備できており、研究全体としては、やや遅れているが、研究協力者の協力のもと、それほど問題なく進行していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に得られた結果に基づき、「味蕾で発現する古典的カドヘリンの同定」をさらに進める予定でいる。具体的には、in situ hybridization法、および免疫組織化学法によるカドヘリンの局在について検討を行う。また、「コンディショナル遺伝子改変法を用いたノックアウトマウスの作製のためのKRT14-Creマウスの組織特異的発現の確認およびターゲティングベクターの構築」についても進め、味蕾の形態形成・維持に強く関与していると考えられるカドヘリンに関してマウス個体での機能解析を行っていく。さらに、亜鉛欠乏マウスにおける古典的カドヘリンの発現解析についても、進めていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の研究実施計画のうち、「2.コンディショナル遺伝子改変法を用いたノックアウトマウスの作製のためのKRT14-Creマウスの組織特異的発現の確認およびターゲティングベクターの構築」について、予定より実施が遅れている。この研究に用いる遺伝子改変マウスを入手するための輸送費、購入費を計上しているが、それを使用するに至らなかったため、次年度使用額が生じた。 研究実施計画に基づいて、マウスの購入費および輸送費が発生する予定である。
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