2014 Fiscal Year Annual Research Report
正確な健康情報を提供するための難消化性オリゴ糖量の高精度評価法に関する研究
Project/Area Number |
24650498
|
Research Institution | University of Nagasaki |
Principal Investigator |
田辺 賢一 長崎県立大学, 看護栄養学部, 助教 (60585727)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥 恒行 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 客員教授 (50010096)
中村 禎子 十文字学園女子大学, 食・栄養・健康研究所, 客員研究員 (60382438)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 難消化性オリゴ糖 / 定量法 / 食品分析 / プレバイオティクス / 難消化性糖質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終目的は、加工食品成分に関する正確な健康情報を消費者へ提供するために、難消化性オリゴ糖の高精度定量法を確立することである。日本の澱粉工業技術は世界と比べても高い水準であり、機能性を有する新規オリゴ糖の開発が盛んである。2015年4月より機能性表示制度が施行され、食品が有する機能性を簡便かつ正確に評価する方法の確立は不可欠な状況となっている。本研究では、難消化性オリゴ糖定量法であるAOAC公定法の酵素-HPLC法に用いられているアミログルコシダーゼの替りにブタ小腸粘膜酵素を用いることを基本にして加水分解システムを構築し、改良定量法の確立を目指した。 最終年度は、前年度までの研究成果を基にして特定保健用食品を始めとした市販食品中の難消化性オリゴ糖を正確に定量できるか否か評価し、我々が提案する難消化性オリゴ糖の高精度定量法の妥当性を検討した。最終年度は市販クッキーに難消化性オリゴ糖を添加し、その添加回収実験を実施した。また、特定保健用食品を始めとした加工食品中の難消化性オリゴ糖を食品の容器包装に記載されたオリゴ糖含有量と同程度定量することが可能か検討した。 我々が開発した改良定量法は、市販クッキーに難消化性オリゴ糖を加えたオリゴ糖含有モデル食品を試料とした場合、添加した難消化性オリゴ糖のみを正確に回収した。さらに、市販されている難消化性オリゴ糖含有特定保健用食品や健康食品を試料とした場合においても、食品中の消化性オリゴ糖を単糖まで水解し、難消化性オリゴ糖のみを定量できた。一方、従来の公定法では、難消化性オリゴ糖だけでなく、消化性オリゴ糖も定量し、定量法として正確性を欠いた結果が得られた。 本研究で開発したAOAC改良定量法は、今後解決すべき課題を抱えているが、難消化性オリゴ糖を包括する難消化性糖質(広義の食物繊維)の正確な定量法になりうる可能性が示された。
|
Research Products
(6 results)