2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24650504
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Research Institution | Kagawa Nutrition University |
Principal Investigator |
平石 さゆり 女子栄養大学, 栄養科学研究所, 講師 (20150659)
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Keywords | 栄養学 / 概日リズム / 癌転移 / 食生活 |
Research Abstract |
高脂肪食摂取が時計遺伝子の発現にどのような影響を与えるかを検討した。 ICR雄性マウスを、マウスが通常行動する暗期に食餌摂取する夜給餌群と、休息時刻である明期12時間中の11:00~17:00に制限して餌を与える昼給餌群に分け、普通食(4.8% Fat)あるいは高脂肪食(35% Fat)を8週間与えた後、解剖した。昼給餌群の一部のマウスを解剖2日前に夜給餌に変更して解剖した。解剖は、1日の発現リズムを調べるため、午前8:00から6時間毎に行い、肺を採取した。肺からRNAを単離回収し、時計遺伝子のmRNA量の変化をリアルタイム-PCR法で検討した。 飼育期間中、普通食および高脂肪食摂取群共に、昼給餌群の摂取量と同量の餌を夜給餌群に与えた。また、高脂肪食摂取群の1日の平均エネルギー摂取量は普通食群とほとんど同じであった。したがって、1日平均エネルギー摂取量は4群ともほぼ同じであった。 普通食摂取マウスの時計遺伝子per-2とbmal-1は、夜給餌群に対して昼給餌群で約6時間位相が前進した。高脂肪食摂取マウスのper-2とbmal-1のピーク時刻は、夜、昼給餌群ともに普通食摂取のマウスの各々の群と同じで、高脂肪食摂取でも夜給餌群に比べ昼給餌群は約6時間位相が前進した。また、昼給餌を夜給餌に変えて2日後の普通食摂取マウスのper-2とbmal-1のピーク時刻は、昼給餌群と夜給餌群のピーク時刻の間、すなわち昼給餌群に比べて約3時間位相が後退し夜給餌群に近づいた。昼給餌を夜給餌に変えた高脂肪食摂取マウスでもほぼ同様の結果が得られた。 これらの結果から、末梢組織の概日リズムに及ぼす高脂肪食摂取の影響は普通食摂取と大きな差はなく、また、高脂肪食摂取が昼給餌によって変化した概日リズムを通常のリズムに戻しにくくするという影響はみられないことが示された。
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Research Products
(2 results)