2015 Fiscal Year Annual Research Report
ナノフードテクノロジーによる希少糖の利用効率の改善
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24650510
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
白井 暢子 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 主幹エンジニア (10399404)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上村 渉 東京大学, 医学部付属病院, 研究員 (80399394)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 希少糖 / DDS / 機能性食品 |
Outline of Annual Research Achievements |
希少糖のうち最も入手し易いD-プシコースを用いて、高分子多糖であるアルギン酸に脱水縮合反応によって担持させた希少糖DDSを作製した。DDS中に含まれる希少糖の放出挙動を経時的に評価するため、脱水縮合反応後に合成溶液中に残存する希少糖をHPLCにより測定した。また、希少糖の利用効率を向上させることを目的として5~10回程度反応溶液を再利用して希少糖を担持させた場合でも、初回と同程度の放出挙動を示すことを確認した。DDS担体と希少糖との複合体を食品として用いる場合、その構造が様々な生理条件下において安定に存在する必要があるため、生理食塩水や酸性溶液中においても同様に希少糖の放出挙動を観察したところ、いずれの溶液中おいても複合体の安定性が確認された。 ラットの嗜好性向上を目的として反応溶液の温度やpH等、脱水縮合時の反応条件が希少糖DDSの粒子の形状に与える影響について検討し、最も嗜好性が高い条件で3%のD-プシコース含む希少糖DDSをラットに長期投与したところ、食餌摂取量、体重増加量、体脂肪率、血清生化学のいずれの指標においても対象群との違いは認められなかった。組織生化学評価においてもいずれの臓器にも異常は認められず、プシコース-DDSの安全性が示された。さらに、D-プシコース単独で長期投与を行った先行研究において報告されていた肝重量や腎重量の増加がプシコース-DDSの長期投与においては認められなかったことから、希少糖-DDSの機能性食品応用への可能性が示された。
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