2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24650511
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大野 栄三 北海道大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (60271615)
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Keywords | 授業分析 / コミュニケーション / 情報の流れ / 修辞関係 / 談話 |
Research Abstract |
動的意味論の理論である分節談話表示理論(Segmented Discourse Representation Theory) を使い、理科授業における談話の構造や分節化について研究を行った。分節談話表示理論は、自然言語の談話を、拡張された談話表示理論によって表現・解釈する理論であり、計算機上への実装可能性をも重視しており、談話解釈システムの基礎となる可能性があるとも言われている。分節談話表示理論を活用することで、談話データから得られる言語的情報を最大限に活用し、教師の意図、子どもの認知状態、彼らの社会的・文化的背景からの情報の利用を最小にとどめ、その上で意味論的解釈のレベルから理科授業の談話を分析しようとすることがねらいである。本研究では、分節談話表示理論に組み込まれた修辞関係(rhetorical relations)を利用して、授業の談話をダイアグラムで表現し、中間段階の授業解釈を明らかにすることができたと考えている。 さらに、情報の流れを数理化するために提案されたチャンネル理論を応用し、理科の教育内容がもつ関係構造を記述する方法を提案した。学習活動(実験・観察)と教育内容である知識の集合から、分類(classification)と呼ばれる構成要素をつくり、チャンネル理論によって、分類間の関係をつくる。それら関係構造を図式的に表現し、授業の展開と分類の順序構造との関係、教育内容がもつ階層的構造を示すことができたと考えている。
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Research Products
(6 results)