2012 Fiscal Year Research-status Report
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24650513
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
水谷 好成 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (40183959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安東 茂樹 京都教育大学, その他部局等, その他 (40273817)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 産業・技術教育 / ものづくり / 震災復興 / 教育復興 / エネルギー利用 |
Research Abstract |
エネルギーに関連した題材の教材の開発としては、これまでに扱ってきた題材の改良と新しい切り口の教材の開発を進めた。これまでの題材としては、LED制御教材いろは姫を使ったLEDランタンとして、個人作品となるボックス型のランタン(南光台東小学校3年)、共同の卒業制作となる光のオブジェ作り(住吉台小学校6年)の開発(新提案)と実践をした。これまでにない新しい題材としては、(1)電磁石を使った振り子おもちゃ教材(住吉台小学校5年)、(2)古い電池を最後まで使うという第3の省エネとして提案する昇圧型ミニLEDライト(北仙台中学校2年・塩竃第一中学校2年)、(3)電気二重層コンデンサを使った自走型自動車教材(黒川高校機械科・大衡中学校2年)を開発し、それぞれ授業実践を行った。コンデンサ自動車教材は、黒川高校の生徒を指導する段階を経て、高校生をスタッフとして中学生を指導する2段階方式での実践を行った。 被災地域内のアンケートについては、実施対象と内容についての検討を進めた。復興の進んでいる地域と遅れている地域の格差が大きくなっている状況を踏まえた調査が必要になると考えた。児童・生徒に対するアンケートは色々な形態で実践されており、調査対象には、「またか」という意識が強くなっている。アンケート調査が未来につながるということを示すことができることが望ましい。児童・生徒にも課題はあるが、指導する教員側の課題に新たに目を向ける必要があることがわかってきた。そこで、初年度は複数回のカリキュラムメニューを実践できた昇圧型LEDミニライトの授業実践をした中学校において、生徒の意識の変容に注目したアンケートを実施することができた(北仙台中学校・塩竃第一中学校)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度計画では、エネルギー関連教材の開発に重点をおいた。これまで開発していたLED教材の改良としては、LEDランタンとしてプラスチック段ボールの使用方法に改良を加えて小学校4および6年生を対象にした新しい授業実践をした。電磁石を使った教材の開発も授業実践まで行った。中学校においては、昇圧型のLEDミニライト、およびコンデンサ自動車という新しい発送の教材について授業実践の段階まで進めることができた。コンデンサ自動車については、黒川高校の機械科と連携が進み、大学から高校生への指導と指導された高校生と一緒に中学生へ指導する2段階の実践ができた。課題はあるが、教材開発とそれらの実践的な活用による検証は計画以上に進んでいると言える。 アンケート内容については、被災地域の現状分析を踏まえてどのような内容にするかについて検討を進めた。被災地域の中では、復興が進んでいる地域と未だ改善の見通しが立たない地域が残されているのが実態である。仙台の中心部と津波被害の大きかった沿岸部では状況がかなり異なっている。地域との連携を取りながら、効果的なアンケートの形態を検討する必要が出ている。実施をアンケート対象として、児童・生徒を中心にするか、教師を中心にするかを検討した結果、開発したエネルギー関連教材の活用を目的として、アンケートを受ける側にこれからの方向性を示唆できるようなアンケートが好ましいのではないかと考えて、授業実践のできた中学生を対象にした予備的な調査をするところまでを実践することができた。アンケート実施の範囲がまだ限定的ではあるが、2年度の調査への手掛かりを得ていると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)初年度に開発した教材(LEDミニライト、コンデンサ自動車、電磁石振り子おもちゃなど)の改良を進めるとともに、新たな教材の開発(燃料電池を使ったおもちゃを検討)を進め、それらの教材の実戦可能な活用方法を検討する。開発した教材は実際の授業実践を行うことで具体的な教材の評価を行い、改良を進めていく。 (2)開発したエネルギー関連教材を活用した授業実践を念頭にした教師向けアンケート内容を検討し、仙台市・宮城県を対象にしたアンケート調査を実施する。被災地域以外の教師に関しても調査を行い、被災地域とそうでない地域の比較を進める。 (3)アンケート調査を実施する過程で、現地の教員との人的なネットワークの拡大・教科を進め、授業実践協力ができる学校を増やしていく。教師のスキルを向上させる研修の方法などについても検討を進める。復興の状況に合わせた授業提案をするともに、授業に組み入れにくい地域に対しては課外での教育活動の実践方法についても検討を進め、ワークショップの実践についても検討・実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(1)初年度に開発した教材の改良と検討中の新しい題材の教材を実現するための開発に必要な材料費、および授業・ワークショップの実施に必要な工具類の整備を進め、小・中学校での授業実践を行うための経費:(教材開発経費(電子部品材料など)、工具類、教材部品材料(プラスチック材料・電子部品材料など) (2)アンケート調査調査・打ち合わせ・成果発表・授業実践などに伴う旅費 (3)教材作成補助・資料整理補助に関する謝金 (4)成果発表・資料作成などに関する費用 ロボット制御などで使用するPCについては、OSがWindows7から8への移行期に当たったために、使用する機種の選定・購入を次年度に実施することにした。また、教材開発(材料加工補助)及び資料作成補助(アンケート処理)などに関わる謝金を伴う作業は、初年度で開発した教材の改良の後に、協力学校を増やした本格的な授業実践を実施する2年目に実施することにした。
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