2012 Fiscal Year Research-status Report
教育現場での即応を目指した現職教員用放射線研修カリキュラムの開発
Project/Area Number |
24650519
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
鴨川 仁 東京学芸大学, 教育学部, 助教 (00329111)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 放射線 / 自然放射線 / ガイガーカウンター |
Research Abstract |
いくつかの高校や学内の他学科とも連携して放射線教育の研究開発を行い、高校生・大学生 対象の教材開発・教育方法開発を行った。これらの経験を活かしつつ内容の一部および震災後の講演での資料、学生用副教材・生徒・保護者向けパンフレットを用いて、カリキュラムを構築した。カリキュラムでは①放射線の基礎知識②教育現場で使える実験教材の提供③ガイガーカウンター等を用いた放射線の測定原理・環境放射線の測定とその結果についての理解を基本材料とする。①については、開発した副教材の改訂を行った。改訂については、配布した先の現場の先生方からの意見を取り入れ、修正という形で行った。②については、従来の放射線教育の教材ではあまりみられない放射線応用について焦点をあて、「コリント」と呼ばれる遊具を用いた実験にした。この実験では、ガイガーカウンターやシンチレーションカウンターを用いて計測をしながら放射線の応用が学習できるようなものとなっている。この実験の特徴としては実験の原型が遊具であるため、楽しみながら放射線の応用が理解できるものである。以上、作成されたこれらのカリキュラム実践については、教員研修、教員養成大学における物理学学生実験で実践を行った。アンケートおよび試験などの調査により、1回の実験および講義でも放射線理解が深まっており、とりわけ教員については高い効果を示した。「コリント」実験については学術論文として現在とりまとめている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新しい実験機器の開発、副教材の改訂、教育実践ともに成果を残すことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
カリキュラム開発および実践:本機器による長期間の環境放射線計測をカリキュラムに取り込む。アンケート分析・効果測定:前年度の成果をカリキュラムに反映し成果を論文化する。 ガイガーカウンター開発および基礎データ取得:宇宙からの放射線が増加する気球(~35km)・航空機(10km)・高山(4km) 、南極・北極付近のオーロラ帯などの環境放射線が大きな値を示す測定、大陸から離れた孤島や船上などの大地からの放射線の影響が少ない測定を、本機器でどのような数値(計数および校正されたのちの線量)が計測されるか、シグナル・ノイズ比 はどの程度か指標にもなるデータの取得する。毎年行っている夏季富士山では、山頂での連続観測、下登山での測定をする。また大陸から離れた孤島として小笠原に本装置を設置するのみならず 往復での船上(おがさわら丸)でも測定を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
計測にかかる経費を主として、論文執筆に経費にも使用する。
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Research Products
(1 results)