2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24650525
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
早川 健 山梨大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (40585387)
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Keywords | 数学的な思考力・表現力 |
Research Abstract |
本研究の目的は,数学的な思考力・表現力を質的,量的両面で評価する方法を提案することにある。質的方法は「授業中のノート記述と学習感想」によって,量的方法は「授業後の評価問題」によって評価する。本年度は,授業後の評価問題については評価問題の改善,授業中のノート記述と学習感想については自己評価の視点と児童自身に変容を実感させるための方法の開発を目指した。 1.授業後の評価問題の改善 次の2つの観点,(1)授業で実際に行った問題解決を再現し,授業で扱わなかった発展的な課題を問う【再現・発展問題】,(2)授業で扱った問題とは異なる文脈・場面で,授業で焦点を当てた数学的な考えを問う【活用・発展問題】から評価問題を見直し作成した。 問題を実施した結果,(1)では友達の考えを解釈して自分なりに表現して解決する児童が多く見受けられた。(2)では問題でねらった考えを活用して解決する児童が見受けられた。評価問題を実施する過程で,問題を行った後に,再度クラス全体で問題解決について議論する時間が必要であることがわかった。評価をとおして思考力・表現力を育てる意味で大切なことである。 2.授業中のノート記述と学習感想 児童自身が1時間の変容をみとることができる自己評価を行う。自己評価を児童自身が自分の学習に生かすことが大切である。そのために学習感想では,(1)「授業で一番大切だと思ったこと」,(2)「今の自分の考えとはじめの自分の考えをくらべて,気がついたこと」の2つを記述させる。 「授業で一番大切だと思ったこと」の記述では新しく見出した学習内容や考え方を見直し再確認できる。「今の自分の考えとはじめの自分の考えをくらべて,気がついたこと」の記述でははじめの考えとの変容を意識し自分の考えを省察し深めていくことができる これらの記述をとおして,児童が本時の評価を次の自分の学習に生かしていくことができると考える。
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