2013 Fiscal Year Annual Research Report
大学教育研究機関におけるハザードの特定とハザードマップの作成
Project/Area Number |
24650529
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
富田 賢吾 大阪大学, 安全衛生管理部, 准教授 (70422459)
|
Keywords | 大学の安全管理 / 事故事例 / ハザードマップ |
Research Abstract |
実際の現場で起きた事故や巡視活動において確認された現場の問題を踏まえ、現場で起こりえるハザードの抽出を行った。学内構成員の知識として不足していることや、把握していないこと、実際の災害時の初期対応として大事なことなども含め、情報の精査を行った。また、ハザードとして特に大きなものと考えられる火災については、事故が実際に多数起きていること、事故が起きた際の初期対応の未熟さ等が問題となっており、初期消火の方法、火災報知器の性能、火災受信盤の確認方法、火災の広がり方等の教育とハザードマップに活かすことを目的として、近隣消防署の協力の下、燃焼実験を行い、教育教材としてのビデオ作成を行った。 特に25年度は事故情報の分析として、阪大の事故事例に加えて、国立七大学の事故の調査を行い、阪大の事故との比較を行った。実際、事故の傾向などを分析すると大学間での差はほとんどなく、同じような事故が起きていることが分かった。 これらの知見を元に、抽出したハザードについて、建物のフロアマップ上にハザードを書き込む作業を行った。主には薬品類の総量、毒物、劇物、消防法に基づく類別の表示、消火栓や消火器の位置等をマップ化した。25年度にはいくつかの建物において作成した。こちらの想定していた以上に可燃性、引火性等の薬品類の保持が多いことが分かり、フロアマップ上でその位置、量が分かるマップが作成できたことは可視化しやすく、有効活用ができるものとなった。 以上から、総合的にハザードに対しての備えとしてのモデルケースを作成できた。今後、それらの教材を活用した講習などを展開し、構成員の意識向上を図るとともに、実際の災害に際しての備えとして全学的に展開していく下地ができたと考えている。
|