2013 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝的アルゴリズムを用いた機械設計能力の評価および最適設計支援システムの開発
Project/Area Number |
24650531
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
川田 和男 広島大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (10300633)
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Keywords | 機械工学教育 / 設計製図 / 評価法 / 機械設計能力 / 進化的計算法 / 最適設計支援 |
Research Abstract |
従来から工学系教育においては知識を問う試験以外では,学習結果に対する評価に関して詳細に考察されたものはほとんど見られず,客観的な基準がないままに教員の定性的な評価によるところが大きかった。工業高専の機械工学科では設計製図の授業が行われている。この授業は,それまでに,または並行して習得した設計法,製図法および加工法などの科目を有機的に結びつける総合演習として位置づけられている。しかし,それらの学習に対する評価方法は,総合演習の中で重要な意味をもつ創意工夫した結果や,総合的に考える力について細かく分析した評価はできなかった。また,評価段階では,定量的な評価の割合は少なく,定性的な評価に頼ることが多いために教員の主観に影響されるという問題も抱えていた。そのため,従来から行われている設計製図の課題に制約条件を設け,進化的計算法の一つである遺伝的アルゴリズムを用いて最適形状を探索させ,その形状と学生の設計した形状とを比較し,そこで生じたずれを定量的に評価する方法を提案した。 近年,カリキュラムの改訂等により実験・実習系の授業の時間数が減少傾向にあり,短時間で効率の良い設計の指導が急務となっている。そこで,本研究では制約条件を満たした最適な設計を行うために,学生に繰返し計算をさせているが,最適な形状に近づいている設計計算になっているかをチェックし,近づいていない場合は支援(ナビゲート)する方法について提案した。設計課題である課題の各部品のパラメータの具体的な寸法値(差)を示すのではなく,最適寸法値より「大きい」か「小さい」かというような値の増減方向のみを示した。これにより,その部品の寸法値がなぜ「大きい」か「小さい」か,論理的に考え,最適な形状となる部品の各寸法値を導くことができるような結果が得られた。
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Research Products
(2 results)