2013 Fiscal Year Research-status Report
ハザードマップを活用した中・高等学校理科地学領域の指導法に関する研究
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24650533
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
三次 徳二 大分大学, 教育福祉科学部, 教授 (10298127)
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Keywords | 科学教育 / 自然災害 / 防災 |
Research Abstract |
本課題では,中・高等学校理科におけるハザードマップを活用した授業を行っている事例を調べ,それぞれの授業内容についての分析を行い,降雨,火山,地震の災害予測を,理科の授業の中に取り入れていく方法について提案することを目的としている。 この背景には,中・高等学校理科の中でも地学領域は日常生活や社会との結びつきが強い内容を含んでいるにもかかわらず,地域ごとの自然が多様であるため教材化が難しく,その結びつきがほとんど扱われていない現状を改善することがある。地学領域は自然災害の原因についての学習を行うが,その内容と日常生活や社会との結びつきについて指導ができていない。そのため,地域に災害をもたらす自然現象が一定の時間内に発生する確率を地図上に示した災害予測図であるハザードマップを活用することで,改善が図れないか検討を行う。 今年度は,前年度に引き続きハザードマップを活用した授業の事例を収集することが主な研究内容であったため,教科書の分析,学会における情報収集,都道府県レベルの教育委員会理科担当指導主事への聞き取り,中・高等学校の授業見学を行った。教科書については前年と同様の結果であったが,理科担当指導主事への聞き取りにおいては,高等学校地学基礎の普及に伴い,教科書の記述を一通り教えようとする教員のすがたも浮き彫りにすることができた。これは,教科書に掲載されているハザードマップについて説明するものの,自分たちの住む地域の災害についてはほとんど触れないということも示している。中学校においては,1年生の火山や地震の単元にいてハザードマップを扱う事例について分析を行い,学習への関心を高める効果があった反面,3年生で扱うことに比べた難しさについても明らかになった。地域ごとのハザードマップの教材化については,具体例をもとに中・高等学校教員からの意見を聞いた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在,研究開始から2年を経過したところであり,当初の計画通りハザードマップを活用した事例の収集やその分析,ハザードマップの教材化方法についての検討を行っている。「研究実績の概要」に記したとおり,事例の収集は進んでおり,特に中学校の事例については国立大学の附属中学校の教員にも協力を仰いで収集を行っている。また,教材化についても,具体例をもとに中・高等学校教員からの意見を得ることができた。そのため,おおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究においては,昨年度と同様に,授業の事例の収集を続けること,ハザードマップを活用した理科授業の一般的な指導法を提案すること,学校現場における指導法の検証の3点が挙げられる。特に,指導法の提案については,1・2年目に構想したものが,地学領域を専門としていない教員にとっては難しすぎるとの辛口コメントを得ている。そのため,研究期間終了に向けて,改善を行っていきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度と同様に,都道府県教育庁の理科担当指導主事への聞き取りが,科研費を用いた出張ではなく,別の機会(11月の高等学校各教科等教育課程研究協議会,7月の高等学校各教科等担当指導主事連絡協議会,スーパーサイエンスハイスクール生徒発表会)に行うことができたので,旅費を用いなかった。また,中・高等学校の教諭からの聞き取りについて,謝金の受け取りを辞退されたため,人件費・謝金を用いなかった。 高等学校の学習指導要領の改訂は年次進行となっており,理科・地学基礎の開講年次が3年となっているため,今年度はじめてハザードマップを用いた授業を行う予定の学校が多くある。旅費として使用しなかった研究費をそこで用いる予定である。
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Research Products
(2 results)