2013 Fiscal Year Annual Research Report
協調ソフトウェア開発学習における継続的知識と断片的知見の獲得および有機的連携手法
Project/Area Number |
24650544
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
神長 裕明 福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (60214524)
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Keywords | 協調ソフトウェア設計開発演習 / 知識知見情報 / ノウハウ蓄積 / 教育工学 |
Research Abstract |
ソフトウェア設計開発に携わる人材の育成には,協調開発過程における実際的ノウハウを,演習を通して体得させることが重要である.しかし,大学等の演習授業では,独特の制約ゆえに,ノウハウの効率的な蓄積とそれらを活用した訓練が十分に行えていない現状がある.そこで本研究では,協調ソフトウェア設計・開発演習における実際的な経験知識の習得を目指し,演習上の制約に対応可能な知識・知見の蓄積活用支援手法の開発を目標とする.そのために,まず,素性の異なる知識・知見を準独立的に獲得・蓄積し,その間の関係性を分析する手法を開発する.その上で,知識・知見の獲得から集約・視覚化までの支援を見据えたシステム的枠組みデザインを検討し,協調ソフトウェア開発演習におけるノウハウ習得支援の新たな可能性を探る. 平成25年度は,主に以下の作業に取り組んだ. ・協調ソフトウェア開発学習支援システムの試作:技術文書とその構成(継続的知識),学習者による質問・コメント等の編集意図(断片的知識)に焦点をあて,学習メンバ間で編集意図を共有しながら,文書間の関連性に留意した技術文書作成・推敲作業を体得させるための学習の流れをデザインした.その上で,支援システムのプロトタイプを開発した.本システムは,技術文書作成と対応づけ,編集意図の蓄積・共有,それらに基づいた推敲作業のための環境を提供する.さらに,学習者が技術文書間の関連付けを誤っている可能性がある箇所についての注意喚起を行う. ・支援システムの評価:まず,予備実験を経て主な機能の動作等について基本的な検証を行った.その上で,教授者による演習準備作業,学習者による技術文書作成・推敲作業について,それぞれ実験協力者に実際の演習に準じた作業を行って頂き,実践的側面を含めた評価を試みた.基本的有効性を確認し,手法面と操作性などシステム面双方について課題を含めた知見を得ることができた.
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